ボジョレー・ヌーヴォー 11年ぶりV字回復 飲用機会増、値下げが寄与

フランス・ボジョレー地区で造られたワインの新酒「ボジョレー・ヌーヴォー」が16日、各地で解禁された。

今年の日本市場は推定20万ケース、前年対比2割程度の伸長が見込まれる。11年ぶりのV字回復となりそうだ。

新酒市場は近年ダウントレンドが続き、コロナ禍の3年間はさらに落ち込んだ。今年はコロナが5類に移行して初めての解禁を迎え、人と集まって飲む機会が増えることが予想されることから市場が上向いた。また解禁日の11月第3木曜日からクリスマス商戦に切り替わる12月まで2週間近くの日程があることや、急騰していた空輸コストが落ち着き、卸売価格が1~2割引き下げられたことなど、小売店や飲食店にとって販売しやすい条件が揃ったことも追い風になった。

国内市場№1ブランド「ジョルジュ・デュブッフ ヌーヴォー」を販売するサントリーでは、新酒輸入量が約3万6千ケース、21%増となった。主力の「ジョルジュ・デュブッフ ボジョレー・ヌーヴォー」などに加えて、「同 ボジョレー・ロゼ・ヌーヴォー」(中瓶)を新導入してラインアップを拡大。解禁日に合わせて20年ぶりの交通広告を投入したほか、「ボジョ飯」と題して旬の食材を使ったレシピを公開、食中に楽しむスタイルを提案して市場を盛り上げている。

なお「ジョルジュ・デュブッフ ボジョレー・ヌーヴォー2023」の作柄は、7月の雨がちから一転、8月後半には一時42℃となる記録的猛暑に見舞われたが、収穫直前の降雨で程よく水分量が調整され、酸味と糖度のバランスが優れた良質なぶどうを収穫。「まるで摘みたての赤い果実をそのまま口にほおばったような味わい」(同社)に仕上がった。