東京商工リサーチが2023年度の全国企業倒産状況を発表。倒産件数は増加しており、マイナス金利解除の影響と合わせて、今後もハイペースな企業倒産が続く見通しだ。

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■3月は約10年ぶりに倒産件数900件超え

 8日、東京商工リサーチが2024年3月の全国企業倒産状況を発表した。負債額1,000万円以上の企業倒産件数は前年同月比11.9%増の906件となり、24カ月連続で前年同月を上回った。1カ月の倒産件数が900件を超えたのは、2014年4月(914件)以来、9年11カ月ぶりのことだ。

 負債総額は前年同月比3.5%減の1,422億5,200万円となり、4カ月ぶりに前年同月を下回った。主な大型倒産は、生ごみ処理機や水素水サーバーを販売するテックコーポレーション(負債総額:191億9,400万円、以下同じ)、タクシー業の茨木高槻交通(62億円)、老人ホームなどを経営する日本ヒューマンサポート(62億円)など。

 23年3月は、負債額337億4,100万円と比較的大型だったJOLEDの倒産があったが、その反動により、負債額は前年を下回った。

 日本銀行によるマイナス金利解除により、10年以上続いた低金利下における企業の収益モデルは見直さざるを得ない。今後は、収益モデルの変革ができない企業の倒産が増えることが予測される。

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■2023年度は9年ぶりに9,000件超え

 2023年度(2023年4月~24年3月)の企業倒産件数(負債額1,000万円以上)は、前年度比31.5%増の9,053件となり、2年連続で前年度を上回った。また年度別で倒産件数が9,000件を超えたのは、2014年度(9,543件)以来のこと。

 負債総額は同5.9%増の2兆4,630億7,800万円となり、こちらも2年連続で前年度を上回った。主な大型倒産は、液晶ディスプレイ製造のパナソニック液晶ディスプレイ(負債総額:5,836億円、以下同じ)、不動産業などの持ち株会社であるユニゾホールディングス(1,261億9,800万円)、パチンコ店経営のガイア(943億5,500万円)、携帯端末販売のFCNT(872億円)、携帯端末製造のジャパン・イーエム・ソリューションズ(613億円)など。