意外と知らないJR「入場券」の秘密 – 普通の「きっぷ」とはどう違うの?

JR各社では、車両に乗るための「きっぷ」とは別に、駅の改札内に入るための「入場券」も用意されています。普通に考えれば、ひと区間分のきっぷで入場すればいいような気もしますが、なぜわざわざ入場券が販売されているのでしょうか? 実はJRのきっぷと入場券には厳密な違いがあるのです。そこで今回は、意外と知られていない入場券の秘密を紹介しましょう。

【目次】

1.JRの「きっぷ」と「入場券」は何がどう違う?

2.【1】入場券は地域によって料金が違う!

3.【2】入場券の利用は2時間以内! それ以上は200円加算される

4.【3】実は入場券にも定期券が存在する

5.【4】入場券では車両内に入れない!

6.【5】新幹線ホームにも入場券で入れる!

7.まとめ|入場券でエキナカ施設の利用もオススメ!

JRの「きっぷ」と「入場券」は何がどう違う?

通常、電車に乗るときは「きっぷ(乗車券)」を購入しますが、JRの駅改札内の施設(飲食店や売店など)を利用したり、誰かの見送りや出迎えでホームに入る場合は「入場券」を購入しますよね。

もしかすると、入場券ではなく“ひと区間分のきっぷ”で代用してもいいのでは? と考える人もいるでしょうが、ひと区間分のきっぷで同じ駅の改札を出入りすると、自動改札機で止められてしまいます。

では、どうして「きっぷ」とは別に「入場券」が販売されているのでしょうか? ここでは両者の違いを確認していきましょう。



改札内の施設の利用や見送りなどでは「入場券」を購入しますが、そもそも「きっぷ」とは、何がどのように違うのでしょうか?(筆者撮影)

まず、「きっぷ」は特定の行き先へ行くためのもので、それ以外の目的に使うことができません。そのため同じ駅の改札を出入りすることはできないようになっているのです。

ただし、「定期券」の場合は指定区間が乗り降り自由となるため、同じ駅の改札でも出入りすることが可能です。

これに対し「入場券」は、駅の改札内に入るためのもので当日のみ有効です。もちろん、車両に乗ることはできません。しかも、入場券には2時間の利用制限もあります。

実は、きっぷと同じように使えるJR東日本の「Suica」も同じ駅の改札を出入りできませんでしたが、2021年から「タッチでエキナカ」サービスが開始され、Suicaエリア内の同じ駅の改札を出入りすることが可能となっています。

ただし、これが適用されるのは入場後2時間以内であること、また、新幹線の改札機では利用できませんのでご注意ください。

●JR東日本「IC入場サービス「タッチでエキナカ」の利用条件」は→こちら



(Image:BT Image / Shutterstock.com)

同じ乗車券でもJR東日本の「Suica」なら、同じ駅の改札を出入り可能なので、入場券代わりに使うことも可能となっています

また、24年4月1日~25年3月31日までは「タッチでエキナカ 入場券ポイントバック!」というキャンペーンが実施されています。

これは、タッチでエキナカで入場し、対象の施設で買い物をしたあとに同一駅の自動改札を出ると、150ポイントがもらえるというもの。この機会に、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

●JR東日本「タッチでエキナカ 入場券ポイントバック!」は→こちら



タッチでエキナカ 入場券ポイントバック!キャンペーン期間は、24年4月1日から25年3月31日と1年間あります。Suicaを持っているなら、ぜひ利用してみましょう(画像はJR東日本公式サイトより引用)

なお、私鉄ではひと区間分きっぷを入場券の代わりに利用するところもありますので、改札内に入りたいときは駅員さんに確認してみましょう。

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【1】入場券は地域によって料金が違う!

入場券の料金は全国どこでも同じだと思っている人も多いと思いますが、実は地域によって微妙に違います。

24年4月現在、東京では大人150円(こども70円)、大阪では大人140円(こども70円)、名古屋では大人160円(こども80円)となっています。

ほかにもJR北海道では大人200円、JR四国では大人190円、JR九州では大人170円となっており、意外と差があることがお分かりいただけるでしょう。

●JR東日本「きっぷあれこれ 入場券」は→こちら

■入場券の価格表



実は入場券の料金は地域によって違います。料金は大人の場合140円~200円までの価格差があります(表はJR東日本公式サイトを基にして筆者が作成)