日曜よる9時からのドラマ『ノーサイド・ゲーム』で筋骨隆々のラグビー選手のなかでひときわ爽やかな笑顔が印象的な村田琳さん。アストロズ選手たちをさまざまな面からサポートするマネジャー有馬真吾を演じている。
ドラマも後半に入り、今後の展開がますます気になるところだが、大谷亮平さん演じる柴門琢磨監督や笹本玲奈さん演じる佐倉多英とともに、真吾はチームを勝利へと導いていけるのか?そこで今回は、連ドラ初出演となる村田琳さんにドラマにかける思いを語ってもらった。
――初めての連ドラ出演ですが、出演が決まったときの感想は?
最初はアストロズのメンバーとしてオーディションを受けていたんです。僕自身、実は幼稚園から高校まで12年間ラグビーをやっていたので、ラグビー歴としては結構長くて。でも、実際にオーディションに行ったらみなさん大きい人たちばかり(笑)。僕もかなり体重を増やして行ったんですが、みなさんも同じように増やしてきているので、絶対受からないだろうなぁと思っていました。福澤(克雄)監督から有馬真吾という役をいただいたときは、びっくりしたと同時に現実味が全然なくて…最近です、やっと自分が出てるんだって思えてきたのは(笑)。
――ラグビーを始めたきっかけは?
父親の影響です。でも最初は日曜日にラグビースクールに行くのがいやでいやで仕方がなかった。体重もなかなか増えないし…。でも、スクラムハーフというポジションになってからようやくラグビーが好きになりました。スクラムハーフってタックルがすごく少ないポジションだと言われていて、体が大きくない僕にはちょうどよかったんです。
――真吾は、アストロズのマネジャーという役どころですよね。
ラグビーは特殊なスポーツで、試合中監督がベンチに入れないんです。なので、マネジャーである真吾が監督からの指示をインカムで聞いて、グラウンドの選手に伝えにいく。福澤監督から、真吾はラグビー部の選手じゃないけど、ラグビーが好きでラグビー部を支えたいと思っている役だって説明を受けてから、どういうふうに演じたらいいかをすごく考えました。ただ真面目なだけじゃそんな役割は務まらない。ちょっと抜けたところもあるキャラクターなんじゃないかと、自分なりに考えて撮影に入りました。
――ドラマの現場は大変ですか?
僕はまだほかの現場を経験したことがないので比較はできないのですが、福澤監督はすごく明るくて面白い人です。そんな監督とアストロズのメンバーとの掛け合いがいつもめちゃくちゃ楽しくて。僕はこの現場が1本目ですごくよかったなぁって感じています。
――元ラガーマンの村田さんから見て、実際の試合シーンはいかがですか?
リアルです! みなさん本気でぶつかっていて、その姿を見るだけでこのドラマにかける熱量っていうのがヒシヒシと伝わってきます。福澤監督の指示で何度も何度も同じシーンの撮影を繰り返していても、役者たちは文句ひとつ言わない。監督も妥協は一切しない。僕はグラウンドの外で見ているので映っていないんですが、それでも一瞬も気を抜けないです。
――現場ではアストロズメンバーにもイジられているとか……
撮影の合間に寝ている僕の写真をめっちゃ撮るので、それはやめてもらいたいです(笑)
――大泉さんと共演してみてどうですか。
本当にすごい役者さんだなぁって間近で見ていつも思っています。演技の相談もさせていただくんですが、「まず琳ちゃんがやりたいようにやりな」って言ってくれて、大泉さんがそれに合わせてくれるんです。自分としてはとても楽なんですが、もっともっと大泉さんに迷惑をかけない演技をしなければ、と。でも一番はやっぱりみなさんと演技をしているのが、今はとても楽しいです。
――村田さんはもともと役者志望ではなかったんですよね。
役者になりたいって思ったのは半年くらい前。そんな人間が日曜劇場に出ているって本当に恥ずかしいんですけど…。2年ほど前にスカウトされて、趣味感覚で始めたのが最初です。将来は税理士になるつもりだったので…。
――いつ役者になりたいと思うようになったんですか?
事務所内で行われたオーディションで落ちたのがきっかけです。まわりから受かる受かるって言われていたから、僕自身も100%の努力をしていなかった。そんな自分がふがいなくて、くやしくて、もっと結果を出したいって思うようになって、そこからレッスンに挑む姿勢も変わりました。もともと高校時代からコツコツ勉強をするのが好きなタイプなんです。成果が出ないときももちろんあるんですけど、コツコツやっていればちょっとずつでも結果がついてくるはず、そう思って頑張るようにしています。
――努力家なんですね。
いや、自分よりも努力している人はほかにもたくさんいる、って常に思っているので…。
――ドラマを見た周囲の反応は?
すごくたくさん映していただいていたので、1話が終わった後、同級生からいっぱい連絡が来ました。でも、ありがたいと同時に演技をしている自分を見て恥ずかしかった(笑)。2話目もぎこちなかったし…10年後ぐらいですかね、普通にみられるようになるのは(笑)
――今後の見どころは?
アストロズがどんどん変わっていきます。浜畑(廣瀬俊朗)、里村(佳久創)頼りだったチームが、柴門監督(大谷亮平)の手によってどんどん変化していき、さらに君嶋(大泉洋)がどうやって本社に戻るのか、多英(笹本玲奈)と真吾がそれをどうやって支えるのか。どんどん物語が展開していくので、そこに注目してもらいたいですね。
※本連載は雑誌『TV station』との連動企画です。
写真提供:TBS
未来につながる、パスがある。
大手自動車メーカー・トキワ自動車のエリート社員だった君嶋隼人は、とある大型買収案件に異を唱えた結果、横浜工場の総務部長に左遷させられ、同社ラグビー部アストロズのゼネラルマネージャーを兼務することに。
かつて強豪として鳴らしたアストロズも、いまは成績不振に喘ぎ、鳴かず飛ばず。巨額の赤字を垂れ流していた。
アストロズを再生せよ――――。
ラグビーに関して何の知識も経験もない、ズブの素人である君嶋が、お荷物社会人ラグビーチームの再建に挑む。
『ノーサイド・ゲーム』
池井戸潤
ダイヤモンド社 刊
定 価:本体1600円+税
発売日:2019年6月13日