●トルコリラはさらなる下落?

 エルドアン氏はインフレがトルコの最も喫緊の課題と述べており、危機感を強めている。トルコのインフレ率は40%を超えている。

 政府与党内では、緩やかな利上げ路線に転換する政策や公的機関・政府補助金を通じて、的を絞った融資の実行が検討されているが、意見が対立しているとの報道もある。

 しかし、“インフレには利下げ”という独特の政策はしばらく続けると見られている。

 決選投票の2日前には、トルコの中央銀行の外貨準備高が2002年以来のマイナスになるなど、これから5年のエルドアン政権は課題が山積みである。

 トルコリラにとってもしばらく“買い”要素は無さそうである。