●自動運転と車内エンタメ

 最近ではEV車に関しては、「自動運転」と「車内でのエンタメ」が多く論議されている。

 1月6日付の日経新聞に、『米ラスベガスで1月5日開幕するテクノロジー見本市「CES」でゲームなどの車内エンターティンメントを充実させたEV車の発表が相次ぎ、車が娯楽の空間に変わり、今後は「ソフト力」が競争軸になる』との記事が掲載された。

 「自動運転」は、EV車に限らず、全ての自動車が目指す技術革新のテーマである。従って「車内でのエンタメ」とEV車だけを結び付けていることに、違和感を覚える。

 「車内でのエンタメ」とは、運転者(車を操縦する者)が、運転業務から解放された際に、移動時間の「時間つぶし」に車内で何をするかという、単純なテーマでしか無い。

 昔のリムジンの様に、運転操作は運転手に任せて後席で寛いでいる際には、眠ったり、書類に目を通したり、読書をしたり、同乗者と打ち合わせたりと、いろいろなことをして過ごしていた。

 その際に、TVを見たり、DVDを見たり、ゲームをする様なジャンルを充実させるだけのテーマを、さもEV車の専売特許で、「EV車=先進技術=自動運転=エンタメソフトの充実」と「風が吹いたら桶屋が儲かる」みたいな論を展開している訳だ。

(広告の後にも続きます)

●自動運転のイメージ

 西部劇で、街の酒場で酔いつぶれた仲間を、友達が、彼が乗って来た馬に乗せて尻を叩くと、馬は主人を乗せて勝手に持ち主の家に帰って行く場面がある。

 自動運転なんて、酔いつぶれて寝ながら、馬に任せて自宅に帰るのと同じことだ。

 ここでお断りしておくべきは、日本では「馬」は(道路交通法2条1項11号)では「軽車両」となる。従って、西部劇の様なシチュエーションは飲酒運転となるから、やってはいけない。

 いずれにしても、「EV車」、「自動運転」と「車内でのエンタメ」は別のテーマだということは、忘れないで欲しい。