●気になる今後の展開

 米国債がデフォルトとなれば、いつも通り“有事の円買い”となって円高になることも考えられる。デフォルトが決まれば、“セルザファクト”になることも想定される。

 円安になることは日本にとっては株高になりやすいというメリットがある一方で、コストプッシュインフレが進むことは好ましくない。

 6月から電気料金が大幅アップすることが決定しているが、円安がさらに進むこととなれば、さらに上昇することが避けられない。

 支持率が好調な岸田政権にとって、物価高は無視できない課題の1つであり、政府・日銀による為替介入という手段を投入せざるを得なくなるかもしれない。

 2022年9月と10月には合わせて約9兆円の円買い介入が実施された。150円を超えていたドル円は144円台まで円高が進み、一定の効果はあった。

 今後さらに円安が進めば、口先介入のような牽制だけでもあるかもしれないが、今のところはそのような動きは無い。

 いずれにしても、債務上限問題の動向と共に、円安円高双方に大きく動く可能性があるので、注意が必要かもしれない。