NECは3月30日、香港のブロックチェーン企業Animoca Brands(アニモカブランズ)と暗号資産ウォレット開発のGryfyn Holdings Limited(Gryfyn)の両社と、共同でデジタルウォレット市場を開発する覚書(MOU)を締結したと発表した。ゲームやIPコンテンツなどのエンターテインメントを起点に「トラストなWeb3社会の実現および市場の創出・拡大」を目指すという。

NECは、生体認証や秘密計算、ブロックチェーンなどの技術を活用し、プライバシー保護とデータ利活用の両立に注力している。その一環として、デジタルウォレット市場の拡大と事業拡大にも取り組んでいる。

協業により、Animoca BrandsとGryfynは、これまでエンターテインメントジャンルを中心に展開しているGryfynのカストディアル暗号資産ウォレットサービスに関連するソフトウエアや技術などを提供。NECは、生体認証をはじめとするデジタルウォレット関連ソフトウエアや技術を供出する。

また日本で、スタートアップ企業からWeb3領域のビジネスアイデアを募集し、3社のエコシステムに融合して共同で事業化を検討するアクセラレータープログラムも提供するという。プログラム開始時期は今後発表予定。

NECは2022年12月、プライバシー保護とデータ利活用が両立された安全なWeb3の実現に取り組むための「web3コミュニティ」を開設。同社の技術と、共創パートナー企業のアイデアや知見などを組み合わせ、さまざまなユースケースやサービスの創出を目指すもので「ヒトの感性や価値観をデジタル化し新たな価値を創造」「デジタル・アイデンティティを活用した、新たな価値創造」「信頼性のあるデータ流通で持続可能な新たな価値創造」の3つのサブテーマを設定し、開発環境提供やハンズオン開発支援など、共同でのユースケースを創出するとしていた。