●追い風のはずのバス・トラック業界!?まだまだ課題も

 アフターコロナの波が日本にも波及してきており、外国人観光客も徐々に戻りつつある中、再びコロナ前のインバウンド需要が期待されている。

 コロナ禍では、アジア地域のサプライチェーンの崩壊による供給面の制約だけでなく、公共工事の停止によるダンプカーなどの需要も冷え込んだ。

 これらが克服されつつある今、日野自動車にとっても追い風になるはずであった。

 一方で昨年から続くロシアによるウクライナ侵攻による原油の高騰や、物価高など、まだまだ逆風もある。

 燃費不正問題の対処がまず必要だが、先を見通した投資も必要だ。日野自動車は、大林組との共同開発で建設現場の自動運転ダンプ(レベル4)の実証実験を進めており、昨年からは電気自動車(EV)トラックを発売している。

 コロナ禍を克服しても、2019年までの好業績とは取り巻く環境が大きく変わっており、復活までの道のりは険しいかもしれない。