テクノロジー企業のアルは3月29日、北海道釧路市の阿寒湖のマリコが特別天然記念物に制定されたことを祝した記念日「マリモの日」に合わせて、時間の経過とともに成長するNFT「marimo」の売上金から約234万円を釧路市へ寄付した。寄付金はマリモの保全や研究推進のために活用されるという。

「marimo」は水槽に入ったマリモがモチーフの、時間が経つにつれマリモが成長していくNFTで2022年9月にリリース。水槽は少しずつ汚れていくので一定期間が経つと水を替える必要があり、水を替えた履歴はブロックチェーン上に記録される。

「NFTに興味があるけど、何から始めたらいいか分からない」というNFT初心者でも楽しめるような仕組みを重視。買いあおりなどによる短期的な売り切れを防ぐため、国内のNFTのリリースとしては多量の1万点を提供し、販売初日に完売している。うち約4割が、初めてNFTを購入したユーザーという。

モチーフであるマリモは生育環境が限られていることから、NFTの一次販売における収益の10パーセントは地球環境保護団体へ寄付すると発表しており、発売日終値のレートに基づき233万7430円を寄付する予定だった。3月29日に、釧路市マリモ保護基金に同額を寄付したという。

アルは、マンガファンが作るメディア&コミュニティーサイト「アル」や、クリエーターのためのオンラインコワーキングスペース「00:00 Studio」などのサービスを運営。3月1日には、きせかえできるNFT「sloth」をリリースしている。企業やクリエーターのNFT参入を支援し、コンテンツ産業の活性化も目指すNFTで、値動きをチェックして転売する投機対象としてではなく、長期的に保有すること自体を楽しめるNFTを目指しているという。