「Mutant Ape Planet」NFTのイメージ図

米連邦検察当局は1月5日、人気NFTコレクション「Mutant Ape Yacht Club(MAYC)」に似せたNFTプロジェクトを立ち上げて資金を持ち逃げし、詐欺罪に問われていたアラブ首長国連邦(UAE)に住むフランス国籍の駐在員、Aurelien Michel被告を逮捕したと発表した。

訴状によると、Michel被告は、約7000個のMAYCに似たジェネラティブNFT「Mutant Ape Planet」を発売。ウェブサイトとDiscord上では、同NFTの支援と価値向上のための50万ドル(約7000万円)のマーケティング予算を用意し、アートワークを用いた商品コレクションや投資収益を得るための別トークンのリリース、コミュニティー間のイベント促進などを行うと掲げていた。また、メタバースで仮想の土地を取得しNFT購入者の利益をさらに高めるプロジェクトだとも宣伝していたという。

それらは虚偽の内容であり、Michel被告は、プロジェクトの資金を持ち逃げする詐欺「ラグプル」をしたとして、4日に告発されていた。同日夜、ジョン・F・ケネディ国際空港で逮捕されたという。

Michel被告はDiscord上で「James」の偽名を使用。2022年6月初めに「James」は「ラグプルをするつもりはなかったが、コミュニティーがあまりにも有害になりすぎた」と投稿していた。

NFT完売後、Michel被告は約300万ドル(約4億円)の資金や売り上げを引き出し、逃走していた。当局は、資金を引き出すために使用された暗号資産ウォレットの1つにリンクされているアカウントから、「James」がMichel被告であると判断したという。