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スクウェア・エニックス・ホールディングスは1月1日、松田洋祐代表取締役社長の2023年の年頭所感を発表。ブロックチェーンゲームの新しい成長への期待を表明した。

松田氏は22年を、Web3.0が「ビジネスパーソンの新たなバズワードとして市民権を得た」と振り返った。一方で、マクロ経済の急激な変動に連動した暗号資産やNFTマーケットの激しい値動きや、11月の大手暗号資産取引所FTXトレーディングの経営破綻など、ブロックチェーン関連の暗いニュースが相次いだことにも言及した。

国内では6月に「デジタル社会の実現に向けた重点計画」の中で「ブロックチェーン技術を基盤とする NFTの利用等の Web3.0 の推進に向けた環境整備」が閣議決定されている。21年のNFTやメタバースに対する熱気や狂乱から、そうしたプロセスを経て「ルールが整備され、より見通しのよい事業環境が提供されれば、ブロックチェーンエンタテインメントの成長にとって望ましいことであるのは間違いない」と期待を寄せた。

スクエニは中期事業計画でブロックチェーンエンタテインメントへの注力を表明しており、積極的な投資や事業開発を進めている。11月3日には、国際会議「India Game Developers Conference(インド・ハイデラバード)」内で開催されたイベント「Web3 Conclave」で、新規IPによる同社初のNFTコレクティブルアートプロジェクト「SYMBIOGENESIS(シンビオジェネシス)」を発表。荒廃したハイファンタジー世界に降り立ち「独占と分配」をテーマに設計されたミッションを通じて世界の秘密に迫る謎解きゲームで、23年春の開始を予定している。

同ゲームを含む複数のブロックチェーンゲームを現在開発中で、23年中にはさらに多くのタイトルを公表すべく準備を進めているという。また、投資に関してもグローバルにソーシングを実施し、国内外を問わず有望な事業体への出資を継続するとのこと。松田氏は23年が「ブロックチェーンゲームが、狂乱から混乱を経て、新しい成長のステージへと移行してゆく年となることを期待する」と述べている。