ジャンププラス【推しの子】人気理由は丁度いい業界暴露感!?【スマホニュース】
美麗なグラフィックと斬新なストーリー展開にて話題を独り占めした、2023年アニメの覇者ともいえる「【推しの子】」。
YouTube動画をもとに世界中で聴かれたYOASOBIの主題歌「アイドル」といい、まさに無敵の笑顔でメディアを席巻した天才的なジャンププラスの漫画です。
なぜここまで人気なのか? この中毒性の理由はなんなのか? その秘密について迫っていきます。
前代未聞! エンタメ業界の裏側暴露
「アイドルや芸能界には華やかな顔の裏に闇がある」これは元来、誰もがなんとなく抱いていた感覚でしょう。
「裏では何が行われてるかわからない」「何か巨大な力が働いているのでは?」
確信はないものの飛び交う噂に、思わず聞き耳を立ててしまう。
そういった、好奇心と背徳感をくすぐる手法で描かれた【推しの子】は公開直後から絶大な支持を得て人気作へと昇りつめていきます。
■芸能界の裏側暴露
作品冒頭で天才アイドルと謳われたアイは、ストーカー化したファンに命を奪われます。
しかもアイは双子を妊娠、出産しており、その事実を隠してアイドル活動をしていました。
アイドルが世間の目を避けて出産と子育て、それを知ったファンに「裏切った」と思われて殺されてしまう。衝撃的な冒頭ですよね。
まるでテレビでは語られない芸能界の裏側を見ているよう。「こんなの書いていいの!?」「タブーじゃない!?」と、読者は【推しの子】の続きが気になってしまうのです。
■恋愛リアリティショーの裏側暴露
TVや映画撮影の裏側を描くシーンもありつつ、人気企画「恋愛リアリティショー」の闇にも【推しの子】は切り込みます。
作中で人気YouTuberの「MEMちょ」が語るよう、「恋愛リアリティショー」は人気が高い一方で、出演者が病んでいく様子も問題視されています。
TV番組である以上「リアル」だけど「フィクション」。つまり、放送されないシーンや意図的に編集で繋げているシーンがあり、その隠された部分にこそ真実があるのだと訴えかけているのです。
また、現代らしくSNS上で炎上したことで彼らがどれだけ傷ついているのかが生々しく描かれています。
■TVアニメ化の裏事情暴露
人気漫画のアニメ化はファンからすれば喜ばしいことですが、「原作者が望んだ形でアニメ化されなかった」「原作のいいところがドラマ化で台無しになった」というテーマも登場します。
ジャンププラスで連載中の漫画がこのネタを描くこと自体、かなり挑戦的ですよね。
制作側の裏事情にあえて言及するのが【推しの子】のチャレンジングなところ。そもそもアニメ化されている作品の中でそこまで鋭く突っ込んでいるのが皮肉でもありユニークでもあり、興味深いエピソードとなっています。
見えそうで「見せない」裏の裏
【推しの子】は読者に問題提起し、業界暴露もしますが、これが全てというわけではありません。他にもまだまだ業界の裏事情は山ほどあるはず。
そこをあえて描かないのか? それとも描けないのか? そんなことを想像しながら、ページを進めるとまた違った見え方ができるかも!?
■丁度いい暴露感
【推しの子】が人気なのは、暴露感のバランス感覚が非常に高く、そこにサスペンス要素、恋愛要素が絡まり質の高い漫画となっていまるからです。
裏事情の全てを見せたら昼ドラのようなドロドロとした人間模様に読者は辟易したでしょうし、アイドルやエンタメ業界への夢が壊れたかもしれません。
しかし「推しの子」が描くのは、「少し複雑な裏事情がありながらも、こんなにも素晴らしい業界が存在すること」なのです。
■ハッピーエンドの安心感
YOASOBIのオープニング曲にもあるように、見せたいものを見せるのがプロのアイドル。魅せる映像を作るのがプロのテレビマン。
人気漫画のアニメ化で原作とアニメ製作陣が揉めるのは、誰もが最高の作品を作りたい熱意の証拠といえます。
【推しの子】が伝えたいことは、あえて裏側を見せることでエンタメ業界に関わる全ての人の努力や意識の高さを知ってほしいということなのではないでしょうか。
だからこそ、物語の各エピソードはハッピーエンドの形を取り、読後の満足感が高いのです。
それでも潜む闇
そして、【推しの子】の真骨頂はそうしたキラキラした世界とその裏側を描きつつ、そこに人間が本来持つ闇を顔をちらつかせることにあります。
■アクアの復讐
垣間見える人間の負の感情や闇──そういった要素を描く役割を担っているのがアクアです。
「アイを殺した犯人を見つけ出し復讐する」と誓い、その動機が揺るぐことは決してありません。
アクアの執念を通して暴かれる人間の闇、業界の闇が、サスペンスドラマとして昇華し、読者の心を掴みます。
アイドル活劇とサスペンスが交差する傑作
アクアが復讐に動くあいだ、ルビーはアイの意志を継いでアイドルを目指し、「B小町」を結成します。
タブーに切り込む挑戦的な姿勢と、輝くアイドルの姿を全力で描く【推しの子】。
読めば読むほど次の展開が気になって、一度読み始めると止まりません。まだ読んだことがない人は、ぜひジャンププラスでチェックして欲しい作品です。