マンガ、アニメ、劇場映画まで大人気！ 「スパイファミリー」の人気の秘密はアレを回避してるから!?【スマホニュース】
「スパイファミリー」は、コミックアプリ「ジャンププラス」にて連載中のコミックです。
遠藤達哉氏が描くスタイリッシュな世界観と謎が散りばめられた物語、そして愛らしいキャラクターたちが相まって連載直後から人気が爆発！
TVアニメ、実写ミュージカル、劇場映画とあらゆるメディアにて作品が展開され、その名を轟かせています。
凄腕スパイの男、殺し屋の女、そして超能力を隠し持つ少女の3人とペットの一匹がそれぞれの思惑のために偽造家族として暮らし始めますが、いつの間にか「家族」の存在がみんなの中で大きくなり……？
ジャンププラス史上最大のヒット作とも言われている本作が、なぜここまで人気なのか？ その秘密は「あえてネタの深掘りを回避しているから」だという説があります。それはどういうことなのか…？ この説を詳しく考察していきましょう！
考察その1：アーニャの不幸な生い立ちの深掘り回避！
「スパイファミリー」といえば愛らしい仕草と大人びた思考のギャップがたまらない、少女アーニャですよね。
喜怒哀楽がしっかり出る表情やピンク色の髪がとても可愛く、天真爛漫なその姿に思わずメロメロ。
しかし、第1話では涙を堪えるのに必死だった人も多いのでは？
第1話では、スパイの任務のために活動していたロイド・フォジャーにより、アーニャは非合法の孤児院から引き取られます。
孤児院から出たくて必死なアーニャは、年齢を偽り、超能力を駆使してロイドにアピールし、引き取られようと必死です。
今までどれほど辛い目にあったのだろう…と視聴者が心を痛ませる瞬間でもあります。
その後、過激派に攫われたアーニャは、交番に行かず、ずっとロイドの帰りを待つことに。ロイドとアーニャの心が通った瞬間でした。
このように1話では、アーニャの辛い幼少期が描かれることで、彼女の背後にあるワケありな物語に触れそうになるのですが…そこはそれ「スパイファミリー」。ふんだんに散りばめられたコメディシーンや、巻き起こるトラブルによってその背景はうっすらと見えなくなっていきます。
物語が進むにつれて、ちょっとずつゆっくりと明かされていくアーニャの隠された過去。
もちろん設定は最初からあるでしょうけれども、決して急ぐことなく、ゆっくりと展開していく「深掘り回避」をしているからこそ、「スパイファミリー」独特のゆったりと流れる世界を堪能できるんですね。
とはいえ、もちろん物語の要ですから、今後ストーリーが進むにつれて大きな展開があるのは間違いないでしょう。
考察その2：複雑な社会情勢の深掘り回避！
「スパイファミリー」は、世界各国が水面下で苛烈な情報戦を繰り広げている時代を描きます。
睨み合う隣国、東のオスタニアと西のウェスタリス。この西国側から東国へと戦争防止のため送り込まれたのが、凄腕スパイ「黄昏」ことロイド・フォジャー。
密かに活動する西国のスパイ仲間と共に、管制の厳しいオスタニアで諜報活動を行っています。
かつて東西両国を巻き込んだ大規模な戦争により、幼い黄昏は戦争孤児となり、生き抜くためスパイになった……。とここまで「スパイファミリー」の設定を知った方の多くは、ある時代のある国を想像したのではありませんか？
そう。作中では決して語られることはありませんが、これはかつて冷戦時代に、東西に分断された東ドイツと西ドイツの情勢にそっくりなのです。
西ドイツ（ウェスタリス側）はヨーロッパ諸国に接しており、比較的自由な文化活動が認めれていましたが、東ドイツ（オスタリア側）では厳しい情報統制や思想教育、貧困問題があったと言われています。
このような、かなり社会派な背景を背負った漫画なら、さぞかしシリアスな展開、暗躍するスパイ合戦の数々が巻き起こるのか……と思いきや、正直、この複雑な社会情勢はあくまで、「スパイファミリー」のアクセントでしかありません。
オスタニア人の妻ヨル、ウェスタリス人の夫ロイド、戦争孤児の娘アーニャと、キャラクターの背景に不穏な社会情勢は絡んでますが、「偽物の家族が本当の家族になっていく」という「スパイファミリー」の軸からすると大したウェイトは置かれてません。
社会情勢がここまでキチンと練られているのに、あくまでホームコメディスタンスというのはとても贅沢な使い方ですね。この複雑な世界設定をベースにしつつも、決して深掘りしないライトな感覚が、幅広い世代から人気を得る理由かもしれまん。
考察その3：凄腕スパイの深掘り回避！
ロイド・フォージャーは、ウェスタリスでナンバー1と謳われる凄腕スパイ。その腕を買われ、単身オスタニアの政治家への接触を試みる超重大任務「オペレーションストリクス」を課せられます。
しかし、このオペレーションストリクス、どう転んでもギャグ要素にしかなっていません（笑）。
スパイだという素性を家族であるアーニャとヨルさんに隠してるため、ときにはハラハラと手に汗握る展開も起こりますが…でも、スパイファミリーが男くさいハードボイルド路線かというと、全く違います。
正直、凄腕の無駄遣い感が否めないほど、ロイドの家族に対する空回り感が思わず笑えて微笑ましい！
父として、夫として、家族の大黒柱として、あるべき理想の姿を追い求めて日々、葛藤する姿が印象的ですよね！
考察その4：殺し屋美女の深掘り回避！
ロイドと同じく、妻のヨル・フォージャーにも秘密の顔があります。
相手の心が読めるアーニャには見抜かれてますが、ヨルさんは売国奴を始末していく、恐ろしくも美しい殺し屋だったのです。
普通ならかなりシビアな表現になりがちなこの設定ですが、「スパイファミリー」ならではのギャグとサスペンスの絶妙なバランスによりそれほど嫌味を感じさせません。
迫力あるバトルシーンを展開させつつも、あくまで殺し屋としてのヨルさんの活躍はサイドディッシュ。
物語のメインは彼女のもつ暖かく優しいキャラクターが全面に出ていて、アーニャを守る母としての姿が描かれます。
原作マンガでは、ヨルさんが船上で必死に任務をこなすエピソードがありますが、ここは彼女が「家族」を大切なものとして意識した名シーンでもありました。
考察その5：ロマンスの深掘り回避！
ロイドとヨルさん夫婦の恋の行方や、アーニャとダミアン・デズモンドの甘酸っぱい関係、ロイドの妻の座を狙うフィオナ、姉好きが高じてロイドを敵視するユーリなど、「スパイファミリー」には小さな恋や嫉妬の種がそこかしこに見てとれます。
そして、そんな恋や嫉妬の表現は「フォージャー家の家族愛」へのエッセンスと言えます。
三角関係や嫉妬心空回りエピソードはギャグとして話の幅を膨らませつつ、「疑似家族が本物の家族になっていく」ための調味料なのです。
＜『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』WEB CMより＞
とはいえ、読者の間でも毎回やきもきさせられるのが、ロイドとヨルさんの恋模様！
心を通わせて偽りの夫婦から本当の恋人になるか？ と思ったらまた落ち着いちゃったりして。もうじれったいったらありゃしない！（笑）
ここまで美男美女が揃っていながら、恋愛路線に踏み切らないのはもったいない……いや、潔いですね。
二人の関係は決して進まないわけではなく、ゆっくりと着実にではありますがその距離は縮まってきています。
今後のお互いの気持ちの変化に注目ですね！
考察その6：予知能力犬の深掘り回避！
アーニャがボンドと名付けた、白くモフモフした大型犬。アーニャを乗せて走れるほどの体力も備えており、穏やかで賢い犬ですが、元々はプロジェクトアップルの被験体8号でした。
その秘められた能力は「未来予知ができる」というもの。
アーニャの願いでフォージャー家に引き取られたときは、「これからはこの犬の予知能力でスパイ活動やアーニャの過去話に進展が!?」と期待したものの、あまり進展は見られず。
ここでも急ぐことなく、ゆっくりと新たなファミリーの参加を描くのでした。
ボンドはあくまで、フォージャー家の一員として穏やかに過ごすのが本分。幸せな家族の象徴として十分役割を果たしているのかもしれません。
まとめ
いつの日か、フォージャー家が隠していたお互いの素性を打ち明け合うことはあるのでしょうか？
そして、彼らがどんなかたちで「家族の絆」を強めていくのか。そこにはどんな試練が待っている？
物語中に張り巡らされた伏線はどのようにして回収されていくのかも気になります。
そんな謎が深掘りされていくそのとき、初めて「スパイファミリー」の真のテーマが明らかにされるのかもしれません。
その時が訪れるまで、コミックやアニメ、映画などをチェックしてアーニャたちの暮らしを見守っていきたいですね♪
