ジャンププラスの漫画「チェンソーマン」その人気の秘密は!? 過去作から見るキャラクター考察も【スマホニュース】
コミックアプリ「ジャンプ+」の異色の漫画「チェンソーマーン」は、ぶっ飛んだ世界観と奇抜なキャラクターたちに圧倒されっぱなしのダークヒーロー作品。
2022年7月にジャンプ+で「チェンソーマン第2部」が連載開始。その後のテレビアニメも人気となり、そして今、劇場版「チェンソーマン レゼ編」が制作発表されるなど、その勢いは留まることを知りません。
この記事では、そんなジャンプ+の「チェンソーマン」の人気の秘密を、過去作品から読み解き解説していきます。
「チェンソーマン」人気の秘訣
「チェンソーマン」とは藤本タツキによるアクション漫画で、もともと週刊少年ジャンプで第一部が連載が開始されました。その後、2022年7月から連載拠点をジャンプ+に移し、他漫画と一線を画す異色のダークアクションでさらなる人気を博しているコミックです。
モテたい!ただそれだけかもしれない?主人公デンジ
「チェンソーマン」は王道作品とは言い難い、ダークヒーローもの。
善悪を飛び越えた漫画の世界観や、キャラクターたちの目からウロコの価値観、そして直感的本能からブレない主人公デンジの存在など特出すべきポイントは山ほどあります。
そして、そんな魅力的なキャラクター造形と先の読めない展開が、熱狂的なファンを生みました。
ちなみに、TVアニメ化もされた主人公・デンジが活躍する「公安編」が第一部で、現在ジャンプ+で連載中の「学園編」は第二部です。二部では、主人公アサと悪魔のヨルのコンビを軸にお話が進んでいますが、今後、デンジたちがどう関わって来るのか見ものです。
なお、記事後半では第一部「公安編」のキーパーソンとなった2人のヒロイン、マキマとパワーについて考察をしていきます。
序盤はとにかくポチタがかわいい!
主人公のデンジ少年は騙され借金まみれで超ど貧乏な生活を送っていました。
残飯を漁って食い繋いでいた彼の一番の収入源は、悪魔狩り「デビルハンター」業。しかしそれもピンパネされてろくな生活が送れません。
デンジは偶然拾ったポチタという悪魔と共に暮らしながら「毎日3食お腹いっぱい食べられる生活がしたい」と願います。
平凡で幸せな生活……そんなささやかな夢を抱いていたデンジはある日、悪魔に命を狙われ殺されてしまいます。薄れゆく意識の中でデンジはポチタの声を聞きます。
「デンジの夢を私に見せてくれ」。気がついたデンジのそばにポチタはいなく、代わりにデンジの胸にはチェンソーのスターターローブがついていました。
そして物語が始まるのですが、要所に垣間見えるデンジのぶっ飛び具合を差し引いても、王道のいい話で泣けます……。
ここからどんどん藤本タツキワールドが本格展開していくのですが、それにしても、この愛らしいポチタは最後まで重要な存在として描かれています。
メインキャラクターでもあっさり退場する
どんどん登場して呆気なく死んでいく登場人物。物語からあっさり退場していくのも、チェンソーマンから目が離せない理由のひとつですね。
作者藤本タツキさんの過去作でも、準レギュラーポジションのキャラクターがさっくり怪我を負ったり、あっさりいなくなったり、まさかの主人公が死んでしまったり、と色々ありました。
「悪役だから倒される」「ヒロインは傷つかない」なんて常識は通用しない、「チェンソーマン」だからこそのスリルが凝縮されていて、結末が予想できずワクワクしながら読み続けてしまうのです。
公安には変な奴しかいない
さて、チェンソーマンとなったデンジは公安に引き取られ、生殺与奪を握られたまま強制的にデビルハンターとなりますが、その公安に所属しているメンバーがリーダーのマキマさんを筆頭に非常に個性的なんです。
純粋な敵討ちを目指してる方が珍しく、「お金のため」「暇つぶし」「目立ちたいから」など、しょうもない理由の人間ばかり。全員を紹介したいところではありますが、ここでは2大ヒロインともいえるマキマさんとパワーを考察していきましょう。
公安対魔特異4課リーダー・マキマの正体は…?
穏やかな口調と女性的な曲線美で男を魅了する、デンジ憧れの存在マキマ。
その正体は…なんと、誰もが恐れるあの悪魔。しかし彼女の能力は極秘とされ、そもそも何が目的なのか、彼女自身が何を求めているのかが全くわかりません。
他の公安職員が知っているそぶりがない一方で、強敵として現れる悪魔たちはこぞってマキマの存在に恐れを抱いています。そんなミステリアスなマキマはひどくデンジ(本当はチェンソーマンのほう)を気にかけます。それは一体なぜ? マキマは本当に人間の味方なのか?
怖くて美しい存在のマキマは何をしたいのか、最後まで目が離せません。彼女の存在もまた、デンジと同じく、人間の「正義」の範疇を超えているのかもしれませんね。
ちなみに、藤本タツキを鬼才たらしめたと言われる前作「ファイアパンチ」でも、「氷の魔女」というマキマのようなラスボス的美魔女が登場します。
無表情な所や冷徹な性格がマキマそっくり。この氷の魔女は「世界を滅ぼすもの」として描かれます。しかし主人公は「氷の魔女」を好きになり、人類から彼女を守ろうと行動します。なんだか、チェンソーマンのマキマとデンジの関係に少し似ていませんか?
デンジの相棒パワーが実は「チェンソーマン」の裏回し役!?
パワーは公安対魔特異4課で働く元気でおバカな女の子…に見えますが、頭に2本のツノがある魔人です。
当然その思考回路もかなり破茶滅茶で自分勝手。平気で嘘もつきます。それでも、猫を救おうと悪魔の言葉を信じたり、デンジのためにケーキを用意してみたりと、素直で可愛らしい一面もあり、彼女が登場すると、チェンソーマンの作品が一気に明るくなる傾向があります。
マキマに「妹的存在」と言わせるくらい、最終的にはデンジを信頼し、頼り、その姿は本当に妹のようでした。
それゆえ、第一部の終盤でまさかあのような展開を迎えるとは…チェンソーマンにおいて最大級の衝撃展開でした。
前作「ファイアパンチ」にも、破天荒なぶっ飛びキャラとして「トガタ」という映画好きの登場人物がいました。
自分本位にしか動かず、映画のことしか考えない人物でしたが、とても自由で最も「ファイアパンチ」の世界を謳歌していた人間かもしれません。
パワーの天真爛漫で既存の善悪に囚われない性格は、トガタから派生したのでは? と考察してしまいます。
ちなみに、トガタ&氷の魔女と主人公との距離感は、まさにチェンソーマンの「デンジとマキマとパワーの三角関係」に似たものがありました。
まとめ
まだチェンソーマンを読んでない人は、ぜひジャンプ+でチェックしてみてください。これまで体験したことのないスリリングな物語が待っていますよ。
また、興味が沸いたら藤本タツキさんの過去作品もぜひ読んでみたいもの。藤本漫画のルーツに触れることで、よりチェンソーマンが楽しくなること請け合いです。
劇場映画の制作も発表され、第二部も引き続き連載中のチェンソーマン。これからも予想の斜め上をいく展開で我々読者を驚かし続けてくれることでしょう。