QRコードの基本知識と読み取りアプリ6選。それぞれの特徴を解説
QRコードで情報を得る方法が広く普及しています。その際、どのアプリでどのような操作をすればよいのか分からないという人もいます。そこで、QRコードに関する基本的な知識をおさらいしながら、おすすめの読み取りアプリについて解説しましょう。
QRコードとは?

デンソーウェーブが開発した技術
広告の端や商品パッケージなどで、四角く囲われたモザイク柄のようなQRコードが配置されることが多くなってきました。そもそもこのQRコードとは、どのようなものなのでしょうか。 QRコードとは、それまで用いられていたバーコードの役割をより進化させることを目指して開発された2次元コードのことです。1994年にデンソーウェーブによって開発されました。 バージョン1からはじまり、数字が上がるにつれて盛り込める情報量も増えていきます。バージョン40では、数字だけなら7089文字を収めることが可能です。 そして、任意の文字列も格納できるようになりました。これにより、QRコードを読み取るだけで瞬時に指定するサイトへと移動させることができるのです。バーコードとの違い
商品パッケージなどで、太さの異なる縦線が横一列に並ぶマークもよく見かけます。これはバーコードで、『一次元コード』とも呼ばれます。 QRコードは縦・横に配置した点(ドット)で構成する『二次元コード』です。バーコードに比べて盛り込める情報量が飛躍的に大きくなり、英数字以外にもURLやメールアドレスといった情報を埋め込むのに適しています。 さらに、画像や音源データの埋め込みも可能です。情報量の多さは、QRコードの最大のメリットといえるでしょう。 読み取り方法が簡単なことも優れた利点です。バーコードは、専用のリーダーを用いなければ読み取れず、連動したシステムが求められます。 一方、QRコードなら、カメラやアプリで手軽に情報を入手できます。スマートフォンユーザーであれば、専用の機器を使用せずとも簡単に利用できることで、急速に普及しました。簡単に作成もできる
バーコードを個人で利用しているケースはあまり見かけませんが、QRコードは日常生活でも活用されています。 急速に普及した理由に、誰でも簡単に作成できることがあります。作成したQRコードで、自分のホームページやブログなどを知らせるということは、既に多くの人が行っています。 インターネット上には、QRコードを作成できるウェブサイトがすぐにみつかります。費用なども一切かかりません。 作成できるページにアクセスし、指定された箇所にURLを入力したら、変換ボタンを押すだけです。この作業だけでQRコードを作成できるウェブサイトが数多く存在します。QRコードの特徴とは

記録できるデータが大きい
QRコードが格納できる情報量の多さは、最大の魅力であり特徴といえるでしょう。この点が、バーコードなどと大きく異なる部分です。 QRコードには多数のバージョンがあり、1から数字が上がるにつれて情報量が増えることは先述した通りです。 バージョン40について詳述すると、最大で漢字・かなを1817文字、英数字なら4296文字、数字のみなら7089文字の格納を可能にしています。 バーコードでは、情報を商品の国番号や事業者番号・商品コードなどへと割り当て、それをデータベースと照合するものでした。情報量が限定されるため、特定の目的でしか活用しにくいという状況があったのです。 大容量データを記録できるQRコードであれば、割り当てなどを行わず品名や生産日・使用期限といった多岐にわたる情報を格納できるのです。どの角度からでも読み取れる
瞬時に、かつ広角度から読み取れる点もQRコードの特徴です。このことも、利便性を大きく向上させました。 従来のバーコードでは、リーダーを垂直に当て、確実に読み取ることが求められました。些細なズレでも読み取り不能ということが起こりやすかったのです。 その点、QRコードはどの角度からでも一瞬で読み取れます。それを可能にしているのは、三つの角に配置されている四角い切り出しシンボルです。 これがコードの存在とコード領域を即座に認識させる役割を果たします。その結果、あらゆる角度から高速で読み取ることを可能にしたのです。一部に汚れや破損があっても読み込める
部分的に汚れがあったり破損していたりしても読み取れることも、QRコードの強みであり魅力といえます。これは、コード自らがデータを復元するという『誤り訂正機能』を備えているからです。 この訂正機能には、4段階のレベルがあります。レベルが上がるごとに、QRコードの汚れや破損の度合が高くなっても読み込み可能です。 レベルはL・M・Q・Hと分かれており、一般的な利用においてはLやM、工場など汚れや破損が起きやすい環境ではQやHが推奨されています。QRコードの使用例

決済ツールとして
現代では、キャッシュレス決済・電子決済も普及しています。QRコードは、その決済ツールとしても活用されています。 主な使い方は2種類あります。一つは、ショップや商品から提示されたQRコードを読み取り、登録した銀行口座やクレジットカードから送金する仕組みです。 もう一つは、QRコードをスマートフォンのアプリ上に表示させ、ショップ側が端末で読み取ることで決済が完了します。 簡易なシステムであることから、既に幅広く導入されています。百貨店やスーパーはもちろん、個人店や屋台などにまで裾野は広がりを見せています。ポスターなどからサイトへ素早くアクセス
QRコードは、企業が提供するサービスや情報に対して、ユーザーからのアクセスを促すツールとしても活用されています。 例えば、あるイベントの告知をポスターやチラシで行います。それを見て興味・関心を抱いた人は、記載されたQRコードを読み取るだけで、詳細が分かるページへと素早く移動可能です。 そして、そのページでより詳しい内容を知らせ、サービスの購入やイベントへの参加など、具体的なアクションにつなげます。 このように、QRコードはマーケティングにおいても有効に活用されているのです。SNSでのアカウント情報交換に
SNSは、個人にとってマストなツールとなりつつあります。現在、成人のほとんどがなんらかのSNSアカウントを所有している状況です。 QRコードは、アカウントに関する情報交換にも利用されています。モニター上にQRコードにしたアカウント情報を表示し、スマートフォンで読み取るだけで連絡先の交換が可能です。 一瞬で読み取れるため、情報を紙に書いて渡したり、打ち込んで検索したりという煩わしさから解放してくれます。在庫管理、入退場管理など
QRコードは、企業もさまざまな場所で積極的に活用しています。工場などでは、商品や部品の在庫管理などで使用しています。 あまり知られていないことですが、QRコードはそもそも工場向けに開発された技術です。製品に個別のQRコードを付けることで、管理から出荷までの全工程を把握しやすくしました。 イベント会場での入退場といったシーンでも、QRコードは導入されています。チケットレスでのスムーズな入退場を実現できるのは、QRコードによる功績が大きいといえます。 これにより、転売といった不法行為の追放や待ち時間の軽減、必要な人員の削減など多様な効果を上げています。Android、iOS対応のおすすめアプリ

公式QRコードリーダー Q
『公式QRコードリーダー Q』は、QRコードだけでなくバーコードも読み取れる便利アプリです。QRコードを開発したデンソーウェーブが手掛けているとあって、精度の高さが光ります。 これまでは読み取り困難だった小さいサイズにも、確実に対応します。また、バーコードの読み取りで、大手ネット販売サイトの商品ページに移動することもできる優れものです。 さらに、連絡先やテキスト、位置情報などをQRコード化できる機能も搭載しています。QRコードリーダー EQS
『QRコードリーダー EQS』は、QRコードとバーコード双方に対応するアプリです。スマートフォン上でアプリを実行すると、即座にカメラが起動し、読み込みからウェブサイトの表示までを素早く行えます。 バーコードの読み取りでは、ネット上で購入したい商品の最安値検索が可能です。このアプリを使えば「もっと安く買えたのに」という悔しい思いをせずにすむでしょう。 加えて、QRコードを読み取った後に自動でブラウザを起動するなど、使いやすいように設定可能です。QRコードリーダー & バーコードスキャナ
『QRコードリーダー & バーコードスキャナ』の特徴は、なんといっても素早さにあります。ユーザーをストレスから解放してくれるでしょう。 アプリの起動であらわれる四角の枠線にQRコードを合わせると即座に読み取りを開始し、瞬く間にURLが表示されます。コードにカメラをかざすと、2秒足らずでリンク先を教えてくれるスピードはさすがです。 こちらも、QRコードの作成ができるので、SNSアカウントや電話番号・各種テキストも一瞬で送れます。Android対応のおすすめアプリ

Yahoo! QRコードリーダー
『Yahoo! QRコードリーダー』は、スマートフォンをQRコードにかざした瞬間に、埋め込まれた情報を表示する高性能アプリです。読み取ったデータは履歴に残るので、常に見返すことができます。 さらに心強いのが、読み取った先のサイトの安全性を自動でチェックしてくれる機能を備えている点です。 脅威が発見されなければ『安全』のマークが出され、『開く』をタップすれば閲覧できます。悪質なサイトの場合には警告が表示されるため、ユーザーの不安を解消してくれるアプリです。ICタグ・バーコードリーダー
『ICタグリーダー・バーコードリーダー』も、QRコードとバーコードの両方に対応します。これからさらに普及が見込まれるICタグと、従来のバーコードのいずれも読み取れるアプリです。 それぞれの機能は、モニター下に表示されるボタンをタップすることで、一瞬で切り替えられます。読み取りだけでなくICタグへの書き込み機能も搭載しており、また、アプリを起動せずともICタグが読み取れる設定も可能です。QR Droid Code Scanner
『QR Droid Code Scanner』の強みは感度の良さにあります。スッと読み込む認識性の高さはストレスを感じさせません。履歴も保存され、前に見たページを見直す際にも便利です。 QRコードの作成もできます。『マイ名刺』に自分の情報を登録しておくことで、スムーズに連絡先を交換できます。そのほかにも画像アップロード先のURLをコード化するなど、多様な機能を備えた高性能アプリです。その他のQRコードを読み取れるアプリ

LINE
『LINE』は無料で通話やチャットを楽しめることで大人気のアプリです。基本的な活用方法は、もはや説明不要でしょう。このLINEでもQRコードを読み取ることができます。 『友だち追加』で使用するQRコードリーダーが装備されていますが、これは一般のQRコードの読み取りにも使用可能です。友だちタブ右上のボタンから『友だち追加』に移り、『QRコード』を選択して起動させます。 あるいは、ホームタブの検索フォームの右端に設置されたQRコードボタンや、ホーム画面上でのアイコンの長押しなどでも、素早くQRコードリーダーを起動させることができます。Google Chrome
iPhoneとiPadに限定されてしまいますが、『Chrome』でもQRコードの読み取りが可能です。ホーム画面にある『Chrome』のアイコンを長押しすると、いくつかのメニューが表示されます。 その中の『QRコードをスキャンします』という部分をタップすることで、読み取りができるようになります。アプリなしで読み取る方法

iOSの場合
iPhoneでは、iOS11以降、標準のカメラアプリでQRコードの読み取りができるようになっています。その方法について説明します。 まずカメラアプリを起動し、QRコードを画面の中に収めます。そして、モニター上部にあらわれた読み取り結果をタップしましょう。すると、QRコードに埋め込まれた情報にアクセスすることができます。Androidの場合
Androidでも、iPhoneと同じように、標準搭載されたカメラでQRコードを読み取れます。最初にホームボタンを長押しして、Googleアシスタントを起動させます。 すると、Googleレンズのアイコンが表示されるので、これをタップします。撮影できる状態になったら、画面に読み取りたいQRコードを収めます。 モニター上に映ったQRコードの部分をタップすることで、読み取り結果が表示されます。まとめ
QRコードは、バーコードの改良を求める生産現場の声を受けて、1994年に開発された技術です。『Quick Response』の頭文字を取って名付けられました。 その名が示す通り、わずか0.03秒という超高速で読み取れ、格納できる情報量はバーコードの約350倍と大きいものです。 この目覚ましい進歩により、各分野に急速に普及しています。QRコードを賢く活用して、より便利でより効率的な生活につなげたいものです。関連記事
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