2023年9月の満月は中秋の名月&やさしさあふれるハーベストムーン♪見ごろは?

秋のお月見で思い浮かぶ言葉のひとつ中秋の名月。
2023年の9月29日(金)にこの中秋の名月であると同時に、自然を敬い満月に独自の名前を付けていたネイティブアメリカンがハーベストムーンと呼ぶ月が、23時すぎに見ごろを迎えます。
見るとやさしさに包まれるという満月の、観察ポイントを紹介していきましょう。
中秋の名月とは
お団子を傍らにお月見をしているイメージの中秋の名月。この印象はどこから来たのか、さらに同じような意味の十五夜との違いについて解説していきます。■中秋の名月と十五夜の違い
明治時代初期まで日本で使用していた、いわゆる旧暦の8月15日に見られる月を中秋の名月と呼んでいます。一方、十五夜は旧暦の15日の夜のことを指しているので、毎月訪れるものです。ただ旧暦では、毎月15日前後が満月になるため、十五夜といえば満月という印象があるのでしょう。
■中秋の名月とお月見
お月見をするようになったのは平安時代。中国から伝わった月を愛でる習慣は、長く貴族だけのものとされていましたが、江戸時代に入って庶民にも広まったそう。華美な宴ではなく、家族や親しい人が集まって静かに楽しむ現在のお月見は、このスタイルが定着したものです。
■月見団子は東西で違う
お月見とセットになっている団子は、この時期に穫れた穀物で作ったものをお供えして、収穫への感謝と豊作祈願をしたのが始まりとされています。ところで、同じ食べ物や食材でも、関東と関西でまったく異なることがあるのはご存じでしょう。お雑煮はその最たる例で、お餅の形や調理方法、ベースとなる味など、エリアによってその種類はさまざま。
実は月見団子も同じで、関東では丸いプレーンな団子を積み上げたものが一般的。一方関西ではお餅をあんで巻いたものが主流です。

▲月見団子(左: 関東風、右: 関西風)
受容とあんしんをもたらしてくれる!? ハーベストムーンとは?
古くから北米大陸で暮らしていたネイティブアメリカンは、なぜ9月の満月にハーベストムーンと名付けたのでしょう。そこには電気のない時代の暮らしぶりがうかがえる理由があったのです。■貴重な収穫をサポートした満月
ハーベストムーン(Harvest Moon)の「harvest」とは穀物や野菜などの収穫を意味する言葉。少しでも時間が欲しい貴重な収穫期に、満月の明かりのおかげで夜でも農作業ができたことにちなみ、9月の満月をハーベストムーンと名付けたそう。ネイティブアメリカンが作る工芸品には、彼らの主食であるトウモロコシがデザインに取り込まれていることが多く、彼らが自然を大切にして、収穫に感謝しているのがわかります。

■ハーベストムーンに願いたいこと
秋の実りに感謝し、翌年の豊作を祈念するように、満月に願うという習慣は洋の東西を問わず行われてきました。そんな祈りの対象ハーベストムーンには「やさしさ」「あんしん」「受容」といった効果があるそう。なにかトラブルを抱えていたり、人間関係の構築を望んでいたりする人は満月に願うだけでなく、写真を撮影してスマホの壁紙にするのもいいかも!?

中秋の名月の見ごろは?
国立天文台の発表によると、中秋の名月かつハーベストムーンとなる月が最も満ちるのは2023年9月29日の18時58分ですが、もう少し遅い時間が見やすでしょう。■中秋の名月を見るならこの時間
東京の場合、日没が17時29分なので、満月となる18時58分に中秋の名月を観察することができます。一方、日没が18時19分の那覇では、まだ少し空が明るく、夜空にくっきりと浮かび上がるお月さまという印象ではないかもしれません。
そこでおススメなのが、日付の変わる少し前、9月29日23時50分ごろ。この時間は月が非常に高い場所に昇り、全国どこからでも満月を臨めます。

■中秋の名月の場所をアプリでチェック
月見団子を楽しみながら家族でのんびり中秋の名月を見たいというときは、もっと早い時間にお月見をしたいでしょう。そこで活用したいのがスマホのアプリ。夜空の天体をシミュレーションしてくれる「Sky Tonight」なら、月や太陽、さまざまな星座の場所も一目瞭然。
例えば、2023年9月29日20:00に設定すると、東南東の空に満月を見つけることができます。アプリ画面右下のコンパスアイコンをタップすると、スマホの向きが現実世界の方向とリンクするので、月を見つけるのもかんたんです♪

中秋の名月は必ずしも満月にはならないもの。次に中秋の名月と満月が重なるのは2030年という予測も。この貴重なチャンスをお見逃しなく!
出典:国立天文台