「スマホが繋がらない」で金銭被害!?SIMスワップ詐欺の手口と対策【スマホニュース】
スマホを使っていて、電話が繋がらない、電波が入らないといった不安定な挙動が起こったことはありませんか? めずらしいエラーがあれば「スマホの調子が悪いのかな」と流してしまいそうですが、これからはスルー厳禁!
いま世界では、スマホの回線が突然切れ、その間に多額の財産が盗まれる「SIMスワップ詐欺」が横行しています。
世界規模で警戒!「SIMスワップ詐欺」とは?
昨今、スマホを使った新手の犯罪「SIMスワップ詐欺」が世界的に増えています。この手口の恐ろしいところは、スマホの所有権が丸ごと奪われてしまう点。
「奪われる」とはいっても、いま使っている端末が犯人の手に渡るわけではありません。スマホには「SIMカード」と呼ばれる契約者情報を記録した小型のカードが挿入されており、これを犯人が複製することで、持ち主の個人情報を盗み取るのです。
■どんな被害が起こるの?
SIMカードが発行できる枚数は、電話番号ひとつにつき1枚だけ。いざ犯人が不正な手段でSIMカードを複製すれば、被害者が使っているカードは解約扱いに。「電話が繋がらない」「電波が入らない」といった挙動が起こります。そうしている間に、犯人は複製したSIMカードからパスワードなどの個人情報を奪取。メールや銀行口座にアクセスし、財産を盗みます。
■「SIMスワップ詐欺」の仕組み
この手口は非常に手間がかかり、ほとんどの場合、犯人は組織的に犯行をおこなうよう。 まずターゲットを特定するため、貯蓄額などから狙いをリストアップ。なりすましメールなどを使って氏名や電話番号を手に入れたら、SIMカードの複製へ。SIMカードの発行は、携帯ショップでおこないます。ここで必要になるのが、被害者名義の身分証明書。犯人は写真をすり替えた運転免許証を提示し、本人だと偽ります。そして新しいSIMカードを発行し、被害者のスマホを乗っ取るのです。
SIMスワップ詐欺を防ぐ方法
この手口の恐ろしいところは、スマホそのものが乗っ取られてしまうため、2要素認証などのセキュリティが意味をなさないところ。
例えば銀行アプリから送金をする際、ほとんどの場合SMSによる本人確認が必要になります。しかしSIMカードを複製されていれば連絡は犯人の元へ届くため、難なくアクセスされてしまうのです。
こうした理由から対策が難しいと言われるSIMスワップ詐欺ですが、ユーザーの心がけによっては被害を食い止めることも十分可能でしょう。
特に犯人がターゲットを選ぶ際におこなう有名企業のなりすましメール、通称フィッシング詐欺は、怪しい連絡を見極めるポイントがあります。
・高額請求やアカウント停止など、不安を煽るSMSやメールはリンクを押さず、正規サイトから利用状況を確認する
・日本語に違和感があればなりすましを疑い、リンクを押さない
この2点を意識するほか、「あんしんセキュリティ」などのセキュリティアプリを導入することで、情報流出の心配は格段に減るはず。
とはいえ、知らないうちに詐欺のターゲットになっている場合も考えられます。もし被害に気が付いたら、速やかにSIMカードを利用停止し、消費者ホットラインに現在の状況を相談しましょう。
■ドコモ インフォメーションセンター
・電話番号
携帯電話からかける場合:(局番なし)151
一般電話からかける場合:0120-800-000
■消費者ホットライン
・電話番号:(局番なし)188
いまは確実な対処法がない「SIMスワップ詐欺」ですが、ログイン時の本人確認方法をメールやSMS以外に切り替えるなどの対策を講じて、身を守りましょう。
・電話番号
携帯電話からかける場合:(局番なし)151
一般電話からかける場合:0120-800-000
■消費者ホットライン
・電話番号:(局番なし)188