2022年9月の満月は「中秋の名月」！観測できる時間は？十五夜との違いを解説

2022/09/01 09:58

秋の風物詩といえば、満月をゆったりと眺めるイベント「お月見」。2022年9月10日（土）の中秋の名月には、どんな月が見えるのでしょうか？　ここでは同時に語られることの多い「十五夜」の歴史や由来、「中秋の名月」の過ごし方について解説します。

意外と知らない!?「お月見」「十五夜」「中秋の名月」の関係

「お月見」の歴史は古く、平安時代に中国から渡ってきたのがはじまり。当時のお月見は貴族のたしなみで、船上から月を眺めて詩歌を楽しんだりしたそう。それが年月とともにかたちを変え、「中秋の名月を鑑賞するイベント」から「秋の実りに感謝する日」となり、庶民のあいだに広まりました。

さて、お月見とあわせて聞く機会が多いワードといえば、「十五夜」と「中秋の名月」。この2つは同じ意味で使われている場面を多々見ますが、実は若干の違いがあるのです。

「中秋の名月」と「十五夜」の違いはなに？

「中秋の名月」とは、旧暦8月15日の夜に見える月のことを指しています。
旧暦上で秋は7月から9月。その中間に位置する8月15日を「中秋」と呼んだのが始まりです。
「秋晴れ」という言葉もあるほど、この時期は空気が澄み夜空も美しく見える季節。1年のうちで月が最もきれいに見えるため、旧暦8月15日を「中秋の名月」と呼び、愛でるようになりました。

一方、「十五夜」は毎月訪れる15日の夜を指しています。「中秋の名月」のように“1年に1度だけ”といったイベント性はありませんが、9月は両日が重なるため、同じ意味合いで使われることがあるのです。

「中秋の名月」お月見に用意したいもの

せっかくの中秋の名月は、古い風習にならって月を鑑賞するのも乙なもの。お月見は美しい月を眺めるとともに、収穫に感謝する意味合いもありますから、当日は秋の収穫物や月にちなんだ以下のものをお供えしましょう。

・月見だんご

お月見の定番といえば、「月見だんご」。秋に収穫した米を使い、名前の通り丸い満月に見立てて作ります。これには米を収穫できたことへの感謝や来年の豊作祈願といった意味合いもあるのだとか。

・ススキ

ススキの切り口は鋭く、災害から収穫物を守る魔除けとしてお供えします。また、茎の内部が空洞のため、神様の依り代になるとも考えられていました。

・里芋などのいも類

旧暦8月15日は別名「芋名月（いもめいげつ）」とも呼ばれ、里芋をはじめとする芋の収穫を祝う行事です。ススキやだんごなど月見の定番とあわせて、芋もお供えします。

・ぶどうなど秋の果実

ツルのある野菜や果物は、月と人の結びつきを強める縁起の良い物として考えられました。実りに感謝する気持ちをこめて、ぶどうをはじめとする秋の果物を添えるのもいいでしょう。

「中秋の名月」はアメリカにもある!?ハーベストムーンってなに？

月見はアジア圏で親しまれている文化かと思いきや、意外や意外、アメリカにも9月の満月に収穫を感謝する「ハーベストムーン」というイベントがあるのです。
こちらも歴史は古く、呼び方の発祥は先住民族であるネイティブアメリカンだといわれています。自然と共存していた彼らは月の満ち引きをもとに月日を数え、満月の日には季節にちなんだ名前を付けました。
9月は麦やとうもろこしの収穫があることから、「ハーベストムーン」や「コーンムーン」と呼ばれています。

2022年は超ラッキー!?「中秋の名月」9月10日は満月！

2022年の中秋の名月は、9月10日（土）の夜。完全な満月となる時間は、18時59分です。
前述したように、中秋の名月は旧暦8月15日に見られる月のことを指します。しかし、現在の暦では日の区切りと月の満ち欠けの周期は必ずしも一致しないため、名月は満月とは限らないのです。

その点、2022年は超ラッキー！　中秋の名月と満月が同じタイミングで訪れるので、明るく鮮やかな月を眺めながらお月見ができます。
天候の条件にもよりますが、10日夜から11日の明け方にかけてはどの地域からも月が観測できるため、夜空を見上げて季節の移ろいを感じてみてはいかがでしょうか？

出典：国立天文台

※記事内の画像はイメージです。