富士山頂に真珠出現!?パール富士とスノームーン神秘のコラボ実現か?
日本が誇る名峰富士。古来より絵画や詩歌をはじめ、1,000円札にも逆さ富士が描かれているように、その美しい姿がさまざまなものに取り上げられてきました。数ある富士山の絶景のうち、意外に知られていないのが「パール富士」。「ダイヤモンド富士」をもしのぐといわれるその美しい現象が、2月17日(木)にやってくる満月「スノームーン」と重なるかもしれません!
「パール富士」とは?
富士山と自然界の織り成す美しさで有名なのは、山頂にかかった太陽から光が輝いて見える「ダイヤモンド富士」。カレンダーなどでも使われるため、目にした人も多いのでは?▲有名なダイヤモンド富士。
これに対し、月が富士山頂に載った姿を「パール富士」と呼び、その美しさはダイヤモンド富士をも上回るといわれるほど。その魅力に迫りましょう。
■姿がはっきり見える
太陽は光り輝いているため、写真でも全体像をとらえるは困難です。もし太陽の姿をきちんと収めようとすると、フィルターが濃すぎて富士山の姿がよく見えないなんてことも。一方、月は肉眼でもしっかり見ることができるうえ、夜になれば光りを放ち神秘的に。■観測チャンスが少ない
パール富士は真珠のように見える満月が、富士山頂に載っているように見える現象を指すため、毎日昇る太陽と異なり、1か月に1回、多くて2回しかチャンスがありません。また、梅雨や夏場は空気が霞むため、おのずと寒い時期の晴れた日という限られた条件に期待せざるを得ないのです。■2月の満月「スノームーン」はチャンス!
このパール富士が見られる可能性が高いのが2月17日(木)。国立天文台の「暦計算室」によると、月は午前1時57分にもっとも満ちるとされていますから、前日16日(水)夜からが見ごろに。そしてこの2月の満月は、最も寒い時期の月という理由で「スノームーン」とも呼ばれているそう。下の動画は、2021年のスノームーンによるパール富士の様子です。真珠のように燦然と輝く月をご覧ください♪
■月の大きさは場所で変わる
ふと月を見ると、すごく大きいなと感じることはありませんか? もちろん、その日に限って月が大きかったり、地球との距離が縮まったりしないのはご存じのとおり。これは目の錯覚で、パール富士でも同じ現象が起きます。上の月は大きく、下の月は小さく見えますが、その差は撮影場所と富士山との距離が原因。
富士山が遠い → 富士山が小さく見える → 月が大きく見える
富士山が近い → 富士山が大きく見える → 月が小さく見える
となるのです。
アプリで月を観測しよう
パール富士は富士山が見えるところでないと観測できませんが、2月の満月・スノームーンは天気がよければ全国で見られそう。月の動きを知ることのできるアプリ「Moon Book」を使うと、月の出入りの時間や方角、見え方を、現在地や任意の場所を指定して再現することができます。2月17日は、雪をいただく富士山頂にスノームーンがちょこんと載る貴重なチャンス。現地で見られない人は、ぜひ翌日の天気予報やニュースで見られることを期待しましょう。また、2月は珍しい「カノープス」を見ることができる時期でもあります。日没後の早い時間はカノープスを、夜はスノームーンの観測というのも楽しそうですね♪
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出典:国立天文台
※本記事は2月8日時点の情報です。