領海監視に特化した海上自衛隊新艦種「哨戒艦」登場!艦名を大胆予想
海上自衛隊に新たな艦種「哨戒艦」が追加されることが決まり、その外観や仕様が発表されました。これまでの護衛艦とはどこが違うのか、その役割と特徴を見ていきましょう!
哨戒艦の特徴
これまで、海上自衛隊の水上艦艇の中心を担ってきたのは「護衛艦」と呼ばれる艦種です。ひと口に護衛艦といっても、有名なイージスシステム搭載艦の「まや型」や、空母と似た運用をするために改修されている「いずも型」などその種類はさまざま。そんななか、新たに加わる「哨戒艦」とはどんな船なのでしょうか。▲イージスシステム搭載護衛艦「まや」。<出典:海上自衛隊ホームページ>
■哨戒艦とは
新たに登場する「哨戒艦」は、海洋国家日本の海域を警戒監視するための艦艇として定義されたもの。活発化する外国艦船に対応するため、少人数でも長期間洋上で活動できるようになっています。■哨戒艦の概要
防衛省の発表によると、哨戒艦は基準排水量約1,920トン、全長約95メートル、最大幅約12メートル、最大速力が約20ノット以上とされています。このサイズは、旧日本海軍の特型駆逐艦「吹雪型」より少し短い程度、海上保安庁の巡視船「ひだ型」とは用途、サイズ共にほぼ同じです。▲巡視船「ひだ」。<出典:海上保安庁ホームページ>
イメージイラストからわかる特徴は、ステルス性に配慮した平面を多用した外観と、バウスラスター、30ミリ機関砲の兵装でしょう。ブウスラスターはタグボートを使わずに接離岸するための仕組みで、設備の充実した港以外にも入ることが可能に。兵装も対艦・対空ミサイルなどなく、警告・威嚇射撃が目的と思われる30ミリ機関砲の装備にとどまっています。
建造費は1隻あたりおよそ90億円。現在配備の進んでいる「もがみ型」護衛艦が500億円とされていますから、その安さがわかるでしょう。
哨戒艦は島しょ部を守る要
さらに乗員は少人数運用で話題になったもがみ型護衛艦よりもさらに少ない、なんと30人程度。自動化・省人化を図り、兵装も最低限のものにし価格を抑えていることから、海上保安庁では対応しきれないことも想定される、島しょ部での領海監視を担うと思われます。海外で同じようなサイズ、用途で使用されている艦艇の一例をあげるなら、国境警備などに従事しているイギリス海軍の「リバー級」哨戒艦が近そうです。
▲リバー級哨戒艦「メドウェイ」。<出典:Royal Navyホームページ>
もがみ型護衛艦と連携させることで、外国艦船の活発な動きを警戒するこの哨戒艦。ヘリコプター搭載能力や多目的格納庫をもつことから、離島への物資輸送なども担うかもしれません。
▲もがみ型護衛艦「もがみ」(右)と「くまの」。
哨戒艦の艦名はなにになる?
現在12隻の建造が予定されている哨戒艦はいったいどんな艦名になるのでしょうか? 海上自衛隊では艦種ごとに名称の基準というものが制定されていて、ヘリコプター搭載護衛艦(DDH)は旧国名(「ひゅうが」「いせ」「いずも」「かが」)、イージスシステム搭載護衛艦(DDG)は山岳名(「あたご」「まや」など)となっています。▲ヘリコプター搭載護衛艦「かが」。<出典:海上自衛隊ホームページ>
新艦種のため、まだ基準が制定されていないものの、「旧国名や山岳名はない」「もがみ型が河川名のためこれもない」「旧海軍の命名規則に近い」といった点を含めて予想してみると、かつての駆逐艦の名前になるのではないでしょうか。
- ふぶき
自衛隊としては初の艦名。初の艦種としても似合いそう。 - ゆうぐも
初代「ゆうぐも」は退役。現在「くも」シリーズが未就役のため。 - まつ
哨戒艦と似た役割のミサイル艇の命名基準「木の名」にならって。
新型哨戒艦はまだ概要と主契約者が決まった段階。ネームシップとなる1番艦の建造がいつなのか、進水や就役時期も決まっていません。最新鋭の哨戒艦の登場にはまだ時間がかかりますが、進水式でどのような姿を見せてくれるのか、どんな艦名になるのか楽しみに待ちましょう!
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海上自衛隊の艦艇は動画でも
もがみ型をはじめ、さまざまな艦船はYouTubeの動画でも楽しめます。ふだんは見られない訓練の様子などお見逃しなく♪関連記事
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