ウィーブ導入マンションの駐車場(画像:セイビーの発表資料より)

 九州電力は16日、一部地域で展開してきた電気自動車(EV)のシェアリングサービス「weev(ウィーブ)」を、全国へ拡大すると発表した。自動車の出張整備・修理などを手がけるSeibii(セイビー)と業務提携を締結。セイビーが全国のサービス提供拠点で整備やメンテナンスを担う。

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 九州電力のウィーブは、マンション敷地内の駐車場に設置したEVを、15分単位から利用できるマンション入居者専用サービス。利用者は専用アプリで予約や自動車の開錠、決済などができる。

 九州電力が進めている未来の事業を創る「i-PROJECT」の取組みの1つとして誕生し、2020年12月よりサービスを開始。自宅マンションからマイカーのように使えて固定費がかからない、新しいマイカーの形として展開してきた。EVには、テスラ・モデル3や日産・リーフなどが採用されている。

 ウィーブはこれまで、九州と首都圏で提供されてきたが、全国に整備士ネットワークを持つセイビーと業務提携したことで、サービスの全国展開が可能となったという。全国へのエリア拡大は、22年5月20日から開始予定で、主に分譲マンションが提供対象となる。

 セイビーは、プロの自動車整備士が自宅やオフィスに訪問して、自動車の整備・修理・パーツ取付などを提供するサービス。利用者は、スマートフォンなどインターネット経由で依頼や相談ができ、自動車をディーラーなどへ持ち込む必要がない。作業の途中で追加料金が発生することなく、事前に作業内容と費用が確定するのも特徴だ。

 同社は2019年1月に創業し、同年5月よりサービスを開始。21年6月には、第三者割当増資でグロービス・キャピタル・パートナーズなどから総額8.4億円の資金調達を行い、事業拡大を進めてきた。

 22年に入ってからは、1月に決済サービスPayPayのミニアプリへ「出張カーメンテ」として参画。3月には三井住友海上とパートナーシップを締結。ドライブレコーダーによる事故通報サービスなどが受けられる特約付きの自動車保険で、出張取付を提供。4月には47都道府県でセイビーの提供体制を構築し、全国で整備士の出張を可能にしている。

 セイビーでは今後、九州電力の協力を得ながら、全国のマンション居住者に対してEVの充電・試乗会などを行い、体験機会を設けていくという。