結婚や出産などのライフイベントに合わせてキャリアプランが描ける「女性フリーランス」。

その柔軟性のある働き方から、20代をはじめ、主婦や幅広い年齢層まで需要が高まっています。

今回は、そんな女性フリーランスの「リアル」を探るべく、さまざまな業界で活躍する女性フリーランス10名に取材。人気の職種や1日のスケジュール、成功するためのコツなどを伺いました!

女性がフリーランスになるメリット

女性フリーランスといえば、以前は結婚や出産をきっかけに会社を辞めてから独立する形でなる方がメイン層だった印象ですが、今や20代の若いうちから独立してフリーランスに転身する方も多くいます。

女性フリーランスの皆さんは、女性がフリーランスになるメリットをどう感じているのでしょうか?

メリット1. 妊娠や出産などに左右されずに仕事ができること


妊娠や出産などのタイミングで柔軟に仕事の調整がしやすいのはメリットだと思います。妊娠中や子育て期間中でも、家にいながら仕事ができるのは女性にとってありがたいポイント!(JEMMA)

家庭のある女性フリーランスの方の話を聞いていると、「家事や育児の時間が取りやすい」「子どもが熱を出した際などの緊急事態にも動きやすい」などのメリットをよく聞きます。

フリーランスとして実績を重ねていれば、将来的に組織に属することになってもキャリアを積みやすいとも思います。(北村有)


在宅で仕事を完結できるので、ライフイベントを迎えても、そのまま仕事を続けやすいというのは大きなメリットです。(ゆりえもん)

メリット2. 自分の体調に合わせて仕事ができること


自分のペースで通院できるところ。

会社員のときは、病院へ行くにも時間休をとって説明しなければならなかったけど、フリーランスは時間の調整ができます。「会社に迷惑をかけないように」と考えるタイプだった私にとって、大きなメリットでした。(pitaco)


生理などの身体的な調子の変化に対応しやすくなりました。生理期間中やPMSの眠気や落ち込みに悩まされていますが、無理せず休んで調子のよいときに作業できるのは本当に助かります。(大平かづみ)

朝に弱いので、午後から仕事ができるのは大きなメリットです。

会社員時代は早朝から夜中まで働いていたので毎日寝不足でしたが、フリーランスになってからはたっぷり眠れるようになり、自分のパフォーマンスが1番高い時間に合わせて仕事ができるようになりました。

メリット3. 人間関係に疲弊せずに仕事ができること


人間関係のコントロールを自分でできること。 気の合わない上司との関わりで自分をすり減らしたり、方針に納得できない企業の中にいて疲弊する、ということもありません。

一緒に仕事したいと思える人とタッグを組んで働けるので、人間関係のストレスがまったくありませんね。(こんとも)


自分がやりたいと思う仕事を、大好きな場所で元気な時間帯に、好きな人と一緒にできる。これほど選択の自由があって、自分の好きなことだけやっていても、ちゃんとお金が稼げて理想のライフスタイルが送れるんだという大きな気付きを得ました。(杉野遥奈)

一緒に仕事をする人を選べるようになりました。会社という単位で仕切られるのではなく、技術や開発に対する姿勢が尊敬できるメンバーと一緒に仕事できることが一番のメリットと考えています。(大平かづみ)

(広告の後にも続きます)

女性フリーランスにオススメの職業と年収

ここからは、特に女性フリーランスに人気がある、Webライター、Webデザイナー、Webエンジニア、オンライン秘書、動画編集者の5つの職業の特徴と、実際に活躍されている女性フリーランスの方々をご紹介します。

フリーランスへの転向を考えている方は、それぞれの職種の特徴とリアルをぜひチェックしてみてください!

職業1. Webライター

Webメディアを中心に記事を執筆するのがWebライターの仕事。リサーチや取材、レビュー記事など、ジャンルや執筆内容も幅広いです。

フリーランスのWebライターの平均収入は約200万〜400万円。

他職種に比べて気軽に始められることもあり、駆け出し時は文字単価0.5円など、とにかく単価が低いのがデメリット。ジャンル選びやSEOライティングなど、自分の専門性を磨いていくことがキャリアアップのコツとなります。メディアのコンサルティングや立ち上げ支援までできるようになると、単価は一気に上がるかも?

現役で活躍しているWebライター

北村有

映画・ドラマなどのエンタメジャンルを中心にコラムや取材記事を執筆。Workship MAGAZINE編集部に在籍、キャリア系記事の編集などもしている。(@yuu_uu_

ゆぴ

Webメディア・新R25編集部を経て独立。取材やコラムを中心に執筆する傍ら、グラレコやナレーション、イラスト、SNS運用など、幅広くクリエイティブ業務に携わる。個人では、月間最高PV20万のメディアを運用中。(@milkprincess17

Webライターに必要なスキルは?

  • 読み書きスキル
  • 構成能力
  • 企画力

最低限の日本語を読み書きできる力。私自身もまったくのド素人状態からスタートしたので、必須のスキルや資格はないと思ってます。

稼げるライターを目指すのであれば、文章の構成能力・論理的に文章を読み解く力を磨くといいと思います。(北村有)


正しい日本語を扱えること、構成をきちんと組み立てられること、コミュニケーション能力。企画を考えるところから入る仕事もあるので、企画力もあると良いです。

取材ライターの場合は、相手に気持ちよく話してもらい、記事に必要な要素をきちんと拾っていくことが重要なので、文章能力に加えて対面スキルも必要です。(ゆぴ)

Webライターの仕事の取り方は?

  • クラウドソーシングで受注
  • ライター募集をしているサイトに応募
  • ブログをポートフォリオに営業
  • SNSで受注

駆け出しのころは、クラウドソーシングサービスに登録し、できそうな仕事を片っ端からやっていました。同時進行でSNSでも仕事を募集し、少しずつ依頼をもらえるように。

メディアでライター募集をしていれば応募したり、企画を提案するメールを送ったり、積極的に営業をしていました。(北村有)


ライターは自分の書いた記事を公開すること自体がそのまま宣伝にもなるので、仕事がないうちはブログなどで記事を書いて、ポートフォリオにするのがオススメです。

Twitterでもよくライター募集がされているので、「まずはタダ働き」ぐらいの気持ちで実績を積むぐらいが良いと思います。(ゆぴ)

 

未経験からWebライターになるには、下記の記事を参考にしてみてください!

【未経験】半年で月収35万円!フリーランスのライターに始め方と稼ぎ方を聞いてみた

Workship MAGAZINE

職業2. Webデザイナー

企業や個人などのWebサイトのデザインを制作するのがWebデザイナー。

クライアントの要望をヒアリングし、デザインに落とし込んでいくため、デザインだけでなく丁寧なコミュニケーションが求められる職種でもあります。

フリーランスのWebデザイナーの平均収入は約600万〜800万円ですが、なかには1200万円以上稼いでいるという方も。

需要も高く、さまざまなスキルが求められるので、オンラインスクールなどで学ぶのが一般的。複数の業務先と提携して働くスタイルが多いです。

現役で活躍しているWebデザイナー

haruna

『旅暮らし』というライフスタイルで各地を転々としながら、SNSでの発信や拠点のPR、イベントの企画や登壇をする。本業は、アートディレクションとデザイン。最近は福岡で拠点作りを行っている。(@Haruna_F1207

杉野遥奈

新卒でサイバーエージェントに入社し、広告営業や新規事業の立ち上げ責任者を経験後、25歳で独立。現在は、Web制作業とWebデザインのオンラインスクール「DeLife」の経営を主な軸として活動中。(@haru0127x

Webデザイナーに必要なスキルは?

  • Photoshop、Illustlator、AdobeXDなどのデザインツールを扱えるスキル
  • HTML/CSS、Javascript/jQueryなどのコーディングスキル
  • デザイン意図を伝える言語化力
  • ディレクションスキル

基本的なデザインツールが使用できるスキル、デザイン意図を説明できる言語化力、そして関わるビジネスモデルを理解したうえで、デザイナーという立場から提案や話をすることができるデザイン思考が必要です。

また、デザインを進めるうえでは客先とのコミュニケーションが不可欠なので、相手のリテラシーを考慮して伝えることができる、相手の話している言葉を理解することができるスキルも必須です。(haruna)


営業力、ヒアリング力、問題解決力、ディレクションスキル、デザイン・コーディングスキルです。

業務範囲にもよりますが、最近私はディレクター以降全てチームメンバーを作って案件を進めているので、最初の立て付けとクオリティ管理だけの案件も多いです。

顧客から直接指名をもらう場合は、コーディング以外の役割は全て自分で担っています。(杉野遥奈)

Webデザイナーの仕事の取り方は?

  • クラウドソーシングで受注
  • Web制作会社に営業
  • SNSで発信

独立から3ヶ月間はクラウドソーシング系のサービスで案件に応募したり、Web制作をしている方や企業へ連絡し、プロジェクトに参加させてもらっていました。フリーランスの先輩にお話をしてお仕事をいただいたこともあります。

独立3年目となる今では業務委託契約をしているスタートアップ、デザイン事務所、ブランディング事務所、システム会社経由が65%、旅やイベント、SNSで知り合った方経由が35%程度です。(haruna)


私の場合は前職の繋がりのおかげで「Web制作できるようになりました!」と発信したら、依頼を複数いただきました。

SNSでの発信を強化してからは、SNS経由での依頼やSNSの発信を見てくれている知人や知人の友人などから依頼をもらうことも増えました。「目の前のお仕事」に真摯に向き合って結果を出すと、満足してくれた顧客が紹介をしてくれることもあります。(杉野遥奈)

 

フリーランスのWebデザイナーを目指している方は、以下の記事をご覧ください。

フリーランスデザイナーになる方法。平均年収、案件獲得、ポートフォリオの作り方まで解説!

Workship MAGAZINE

職業3. Webエンジニア

プログラミング技術を利用してアプリ開発などのものづくりを行うWebエンジニア。

フリーランス女性のなかでは人口は少ない印象ですが、需要の高さに対して専門的なスキルを要するので活躍のチャンスは多いです。

フリーランスのWebエンジニアの平均収入は約400万〜800万円。

開発対象によって値段は大きく変動しますが、いずれも高いスキルが求められるので単価は高めです。スキルは大学や企業、プログラミングスクールなどで学ぶのが一般的。在宅のほか、「常駐型」といって、クライアント企業に赴いて週に何日か働くスタイルもあります。

現役で活躍しているWebエンジニア

大平かづみ

フリーランスITエンジニア、Microsoft Azure を中心とした開発で、Infrastructure as Code やDevOps の自動化を担当。女性エンジニアを応援するコミュニティ Code Polaris運営。Microsoft MVP for Azure。(@dz_

りほやん

大阪に住むWebエンジニア。1番好きな言語はRuby。好きなメソッドはmap。フロントもバックエンドも書きます。(@rllllho

Webエンジニアに必要なスキルは?

  • クラウド、サーバーの知識
  • HTML/CSS、Javascript/jQueryなどのスキル
  • ウェブアプリケーション開発(フロントエンド/サーバーサイド、APIなど)の知識

クラウド(私の場合は Microsoft Azure)の広い知識、Infrastructure as CodeやCI/CD の知識、ウェブアプリケーション開発(フロントエンド/サーバーサイド、APIなど)の知識、そしてこれらを身に着けるための探求心です。(大平かづみ)

「問題解決を楽しめるスキル」です。

エンジニアの仕事は、コードを書くことだけではなく依頼を具体的で明確なものに落とし込むことだと思っています。求められているもの、依頼されているもの、本当に困っている問題を見抜き、解決していくことを楽しめるスキルが必要だと思います。(りほやん)

Webエンジニアの仕事の取り方は?

  • 勉強会をはじめとする人との繋がりから受注
  • クラウドソーシングで受注
  • SNSで受注

会社員時代、副業として技術コミュニティで知り合った方々と仕事をしていました。その流れで、本業としてやっていける量のお仕事をいただける機会があり、独立しました。

現在は、フリーランスなどのメンバーで構成されたチームで協力して仕事をしており、自身で営業はしていません。また、ブログ記事やコミュニティの運営や登壇を拝見くださった方からお声がけいただくこともあります。(大平かづみ)


勉強会つながりの知り合いに仕事を紹介してもらっていました。フリーランス駆け出しの時は、自分の時給をどう設定するか、どのように交渉するのかなど、本当に何もわからない状態だったので話しやすさ、相談しやすさを重視して紹介を中心に仕事を探しました。(りほやん)

 

フリーランスのWebエンジニアを目指す具体的な方法については、以下の記事をご覧ください。

フリーランスエンジニアになる方法。【年収/案件/スキル/メリットデメリット/在宅/未経験】

Workship MAGAZINE

職業4. オンライン秘書

メール対応や請求書作成など、バックオフィス系の事務や雑務をサポートするオンライン秘書。経営者やフリーランスの増加に伴い、着目されている新しい職種のひとつです。

フリーランスのオンライン秘書の平均収入は約400万〜600万円です。

最低限の事務処理系ソフトを扱えるスキルとコミュニケーション能力があればできるため、キャリアにブランクがあったり、以前事務職として働いていた女性の新しい働き方の選択肢にもなっています。

現役で活躍しているオンライン秘書

ゆりえもん

「オンライン秘書の先生」として活動中の34歳。リーマンショックで内定切りにあうも、心から尊敬できる社長に拾われ、やがて会社役員に。その後、自力で稼いで生きるためにサラリーマンを辞めて静岡の自宅で起業。(@irodorimemory

こんとも

柔道を軸にした教育事業を展開する会社の【側近・右腕】。他にも複数の経営者、リーダーをサポートをする。オンライン秘書の経験を通して《トップに一番近い外部スタッフとして》として経営者に寄り添う。(@contomoco

オンライン秘書に必要なスキルは?

  • 事務処理能力
  • 事務処理ツールを扱えるスキル
  • コミュニケーション能力

理解力、コミュニケーション能力、柔軟性です。

①理解力:最低限の指示で多くを読み取ることができる

②コミュニケーション力:あらゆる関係者とスムーズにやりとりができる

③柔軟性:やったことがない業務にも対応できる

これらのスキルがあれば、忙しい経営者さまから飛んでくる指示・要望を汲み取って形にすることができます。(ゆりえもん)


実務処理のスキルはもちろん必要ですが、コミュニケーション能力の高さが求められます。

相手の立場に立って発言できるか、気持ちをいかに早く的確に汲み取れるか、対人スキルがとても重要です。

また、相手が目の前にいないオンラインだからこそ、相手のことをいかに想像できるかが鍵となります。メッセージを送るタイミングやリアクションの仕方など、テキストコミュニケーションスキルも必要ですね。(こんとも)

オンライン秘書の仕事の取り方は?

  • オンラインサロン経由で受注
  • SNSで受注

駆け出し時は、以前の職場や知り合いの経営者から仕事をもらっていました。その後、「オンラインで完結する仕事をしている人」=「オンライン秘書」として情報発信を始めたところ、注目が集まり、オンライン経由でも仕事の依頼がくるようになりました。

現在は、サービスを気に入ったクライアントさんが次々と別のお客さんを紹介してくれるため、どんどんお仕事が増えています。(ゆりえもん)


もともとは経営者の知人からの”頼まれ仕事”に対応していました。当時はやったことのない業務もまずは引き受けて、そこから必死になって調べてこなしました。仕事の大小、難易度などは気にせず、なんでも引き受けていました。

最近はオンラインサロン経由でお仕事をいただく機会が増えたり、ツイッターで良好な関係が築けたりと、オンラインやSNSの可能性を強く感じるようになっています。(こんとも)

 

オンライン秘書について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

オンライン秘書になるには?仕事内容とおすすめ求人サービスまとめ

Workship MAGAZINE

職業5. 動画編集者

撮影された動画素材をつないだり、テロップの作成、BGM・効果音などの音入れをして映像作品を編集する動画編集者。企業や一般人などがYouTubeに参入することも珍しくなくなってきた今、需要が高まっている職種です。

フリーランスの動画編集者の平均収入は約400万〜600万円です。ディレクションから撮影、編集まで対応する動画編集者も多いため、ひととおりの技術を学んでおくと重宝されやすいです。

現役で活躍している動画編集者

JEMMA

ブライダル業界に3年勤めたのち、海外生活を経て現在はビデオグラファーとして映像制作や動画セミナーの講師としても活動中。スマホでできる動画制作のハウツーをメインとするYouTubeチャンネル『じぇますた。』を運営。(@jemma_misaki

pitaco

動画編集講師。YouTube「pitacoTV」にて超初心者向けにスマホでできる動画編集のチャンネルを運営。株式会社Vookにてイベント、コンテンツディレクター。(@pitacotv_

動画編集者に必要なスキルは?

  • 撮影スキル
  • 動画編集スキル
  • 脚本・構成力

動画編集者の仕事の取り方は?

  • クラウドソーシングサイトで受注
  • スキルシェアサイトで受注
  • SNSで受注

まずは「動画編集ができる」と知ってもらう必要があったのでSNSなどに動画をアップしたり、知人や友人からの紹介でPVやMVの制作をしたり、知り合いの方がプロデュースするYouTubeチャンネルの編集を請け負ったりしていました。また、アシスタントとしてビデオグラファーの方についていました。

その後は、自らYouTubeなどで動画編集についての情報発信を始め、現在はDMからも映像制作の仕事のご依頼をいただくことが多くなり、さらにその繋がりからまた別の仕事をいただく循環が生まれました。(JEMMA)


駆け出し時は『ストアカ』などのスキルシェアサイトに登録し、仕事を募集していました。今はYouTubeやSNSからの問い合わせや、知人からの紹介で仕事をいただくことが多いですね。(pitaco)

 

なお、年収に関してはどの職種もピンキリ。年収に捉われず、あくまで自分が得意なことや、やりたいことから職種を選択していくのが最善だといえそうです。