求人サイトを運営する各社が4月度のパート・アルバイト時給動向を発表。学生アルバイトの入れ替えに伴い、販売系や飲食系を中心に時給の上昇傾向が続いていることが分かった。

【前月は】3月のバイト・パート時給、高水準続く 春闘の好結果が影響

■マイナビは19カ月連続で前年同月上回る

 16日、マイナビが4月の「アルバイト・パートの平均時給レポート」を発表。全国平均時給は前年同月比43円増の1,230円となり、19カ月連続で前年同月を上回った。直筋における時給の伸びは落ち着いているものの、求人件数が増加していることから、企業の採用意欲は旺盛。物流業界の「2024年問題」で、運送業者だけでなく荷主側となる企業も負担軽減につなげる人員需要が増えるという。

 業種別で時給が上がったのは、「販売・接客・サービス」系のカウンター業務が1,161円(前年同月比:84円増、以下同じ)、ガソリンスタンド・クルマ関連が1,083円(55円増)、コンビニ・スーパーが1,069円(53円増)、ドラッグストア・量販店が1,088円(52円増)、ホテル・ブライダル・トラベルが1,237(76円増)。

 「教育」系のその他教育が1,479円(345円増)。「アパレル・ファッション」系の雑貨・コスメ販売が1,098円(99円増)。「エンジニア・サポート・保守」系のSE・プログラマーが1,472円(93円増)、テクニカルサポート・保守・テスターが1,595円(240円増)。

 「医療・介護・保育」系のその他医療・介護・保育が1,258円(50円増)、ヘルパー・介護が1,417円(63円増)、医療専門職が1,440円(124円増)、看護師・准看護師が1,990円(75円増)、保育士が1,536円(82円増)、薬剤師・登録販売者が1,796円(358円増)。

 「飲食・フード」系のキッチン・調理補助が1,143円(73円増)、その他飲食フードが1,256円(247円増)、ファミリーレストランが1,071円(54円増)。

 「レジャー・アミューズメント」系のカラオケ・ネットカフェ・マンガ喫茶が1,117円(58円増)、スポーツジム・スパ・レジャー施設が1,136円(91円増)、ワゴン販売・売り子が1,176円(74円増)。

 「エステ・理美容」系のボディセラピスト・エステティシャンが1,074円(55円増)。「警備・清掃・ビル管理」系のその他警備・清掃・ビル管理が1,094円(74円増)。「工場・倉庫・建築・土木」系の建築・土木・設備作業が1,792円(170円増)、食品製造・加工が1,159円(121円増)。

 「配送・引越・ドライバー」系の新聞配達・ポスティングが1,252円(51円増)、配達・配送・ドライバーが1,285円(148円増)など。

 反対に時給が下がったのは、「営業」系の営業アシスタントが1,040円(102円減)。「アパレル・ファッション」系のその他アパレル・ファッションが1,194円(69円減)。「クリエイティブ・編集」系のDTP・CADオペレーターが1,209円(347円減)、Web/グラフィックデザイン・POP制作が1,305円(78円減)。

 「イベント・キャンペーン」系のアンケート・調査・企画が1,395円(71円減)、その他イベント・キャンペーンが1,272円(111円減)。「軽作業」系の搬入・搬出・会場設営が1,654円(153円減)など。

 地域別では北海道・東北が前年同月比53円増の1,108円、関東が同44円増の1,299円、甲信越・北陸が同10円増の1,119円、東海が同42円増の1,177円、甲信越・北陸が同4円減の1,122円、関西が同35円増の1,237円、中国・四国が同10円増の1,084円、九州・沖縄が同45円増の1,115円だった。

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■リクルートは時給の前年同月比プラスが丸3年続く

 20日、リクルートのジョブズリサーチセンターが4月の「アルバイト・パート募集時平均時給調査」を発表した。3大都市圏(首都圏、東海、関西)の平均時給は前年同月比43円増の1,186円となり、36カ月連続で前年同月を上回った。

 ゴールデンウイークを見越した求人などにより、過去3番目に高い時給水準となった。さらに過去最高額を更新したフード系の求人では、勤務時間を2~3時間に区切った短時間の求人や、「清掃のみ」「食器回収のみ」のような業務を限定した求人が見られたという。

 職種別で時給が上がったのは、「販売・サービス」系のレジが1,135円(前年同月比:64円増、以下同じ)、販売が1,158円(66円増)、アパレル販売が1,131円(61円増)、化粧品販売が1,127円(69円増)、ホテルスタッフが1,229円(59円増)。「フード」系のファストフードが1,184円(52円増)、食品製造・販売が1,139円(56円増)、その他が1,135円(55円増)。

 「製造・物流・清掃」系の組立工が1,242円(117円増)、組立・生産(重工業除く)が1,265円(75円増)、物流作業が1,205円(54円増)、発送・仕分け・梱包が1,204円(52円増)、警備員・監視員・パーキングスタッフが1,222円(86円増)、ビルメンテナンス・施設管理が1,226円(63円増)、その他が1,239円(87円増)。「事務」系の医療事務が1,146円(53円増)、その他が1,234円(71円増)。

 「専門職」系の看護師が1,974円(163円増)、医療関係従事者が1,336円(66円増)、介護スタッフが1,278円(71円増)、訪問看護師(ホームヘルパー)が1,340円(62円増)、介護福祉士が1,396円(92円増)、サービス管理責任者・サービス提供責任者(介護・福祉系)が1,279円(66円増)、美容師・理容師が1,165円(53円増)、幼稚園教諭が1,221円(59円増)、プログラマー・エンジニアが1,226円(100円増)、その他が1,228円(77円増)など。

 反対に時給が下がったのは「販売・サービス」系のホールスタッフ(パチンコ・遊技場)が1,280円(11円減)。「事務」系のコールセンタースタッフが1,425円(7円減)、データ入力が1,289円(16円減)。「専門職」系の塾講師が1,486円(39円減)、家庭教師が1,412円(34円減)。時給が下がったのは、この5職種のみだった。

 地域別では首都圏が前年同月比43円増の1,227円、東海が同43円増の1,104円、関西が同35円増の1,141円となり、3地域とも前年同月比プラスが続いている。