日本社会で高く評価される「我慢力」は、自ら主張しなければ損をするだけという世界のスタンダードにおいてどうなるのか

日本社会では高く評価される、黙々と勤勉に働く「体育会系」タイプは、実は日本人特有の気質らしい。その特徴は、ハリウッド映画に対し、「自分たちが気に食わない表現があると、烈火のごとく怒り、すぐにストライキをする」中国人や韓国人の姿とは対照的だという。日本文化が育む「分相応の壁」を打破するためのメソッドを、書籍『分不相応のすすめ』より一部抜粋してお伝えする。

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言うことを聞いておけばとりあえずOK


就職活動や、その後の社会人生活において、会社から高く評価されやすいタイプとして「体育会系」があります。大学を通じて部活動をしっかりやってきた体育会系の学生が、就職活動に強く、会社に入ってからもビジネスパーソンとして活躍しやすい背景には、それ相応の理由があります。





① コミュニケーション能力に長けている
まず、野球やサッカー、アメリカンフットボールといったチームスポーツの経験から、コミュニケーション能力に長けていて、チームでの情報共有や団体行動に慣れている点があります。

会社における仕事は、基本的に個人プレーは少なく、チームプレーがメインです。チームを作り、上司から指示を受け、仲間と情報共有や役割分担をして、課せられた役割を全うする、というのが一般的です。体育会出身者は、そうした働き方に、早くスムーズに順応しやすいわけです。

② 身体的・精神的にタフ
また、身体的・精神的にタフである点も特徴とされています。部活動のハードな練習や試合で鍛えられてきたため、体力も精神力もあらかじめ備わっていることが期待されます。

監督や先輩から厳しい指導を受けても、正面から受け止められたり、程よく聞き流しながら上手く対応したりする「タフさ」を持っている人が多いでしょう。

③ 命令を「ちゃんと聞く」
組織のルールや上司の命令を「ちゃんと聞く」という点があります。部活動の経験から、年功序列を重んじる価値観が染みついており、ちゃんとルール通り、命令通りに頑張ることができる人が多いのです。

厳しくつらい環境にも我慢強いため、「すぐに仕事をあきらめない」「不満があっても文句を言わない」「簡単に会社を辞めない」といった会社にとってのメリットが見込めます。

④ 勤勉性が高い
また、勤勉性が高いことから、たとえ報われなくても真面目に働き続けてくれる、という特徴もあります。総じて、会社や上司にとって、「いい部下」「いつも頑張ってくれる」存在で、便利で管理しやすく、それゆえに高く評価されやすい、といえます。


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大企業向きの「スペシャリスト型」
ベンチャー・中小企業向きの「ゼネラリスト型」


現状に疑問を投げかけたり、自分の意見を持って反発したりして「変えよう」とはせずに、「言うことを聞いて」と言われれば素直に聞き、言われた通りに頑張る。こうした特徴を持つ人材は、大きな組織で、上下関係や役割分担が明確になっていて、ルールが決められた環境の方が活躍しやすいタイプです。

1つの役割を全うする「スペシャリスト型」といえるでしょう。だから、大企業に好まれるし、向いていることになります。

このスペシャリスト型と対照的なのが、色々な役割を持って、部門横断的にあれもこれもと組み合わせて対応する「ゼネラリスト型」の働き方です。ゼネラリスト型は、例えば、開発担当であっても、ときに営業や広報の役割もこなして、総合的な対応ができるタイプです。

「何でも、すぐに対応できる」という属人的な強みを発揮する中小企業。数人から始まって十・百・千とケタ違いに規模を急拡大させていく中で、役割が横断的になり、またそのときどきの規模や状況によって、流動的に柔軟な対応を求められるベンチャー企業。こうした組織では、ゼネラリスト型の方が働きやすく、活躍しやすくなります。





文句を言わず、反抗せずに、黙々と、勤勉に働く。こうした体育会系の特徴は、じつは海外から見れば、日本の人に広く当てはまる特徴になっています。その意味では、これまで見てきた話は、体育会系でなくとも、誰もが自分事として考えていいかもしれません。