9社増益・1社黒字転換…証券10社、前3月期決算の全容

国内証券会社各社は2025年3月期、資産運用関連部門の増強などを通じて収益基盤の強化を図る。10日出そろった証券大手・準大手10社の24年3月期連結決算は、全社が当期損益ベースで増益または黒字転換した。約34年ぶりに最高値を更新した株価を背景に個人向け(リテール)部門が上向き、ネット証券も新しい少額投資非課税制度(NISA)開始で口座開設が増えた。

証券10社

一方、足元の日経平均株価は上値が重く、25年3月期に最高値を更新できるかは不透明だ。大規模な人員やシステムを抱える大手は相場の軟調局面では業績が落ち込みやすい傾向がある。ネット証券も個人投資家の動きが鈍くなったり、信用取引で損失を出したりすれば、一部大手による日本株の売買手数料無料化の影響が浮き彫りになる可能性が高い。

野村ホールディングス(HD)と大和証券グループ本社は4月から主に国内個人を顧客とする「営業部門」をウェルスマネジメントに関連した名称に変更し、富裕層シフトを鮮明にした。顧客からの預かり資産を積み上げる「ストック型」に移行し、投資信託やファンドラップの管理報酬など毎期発生する収益を増やして相場に左右されにくい体質による成長を目指す。ネット証券も収益基盤の多様化や、銀行やクレジットカード会社との提携を進めている。

SBI証券の持ち株会社であるSBIHDの北尾吉孝会長兼社長は10日会見し、「(グループのSBI新生銀行やSBI証券との)銀証連携を強化し、成長が見込まれる東南アジアなどで事業を拡大して収益基盤の拡大を目指す」と話した。

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