■I.米国株式市場

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●1.NYダウの推移

 1)11/30、NYダウ+520ドル高、35,950ドル(日経新聞より抜粋
  ・約4カ月ぶりに年初来高値を更新し、2022年1月以来の高値となった。米連邦準備理事会(FRB)の利上げ局面が終了したとの見方が相場の支えとなった。11/29夕に四半決算を発表した顧客情報管理のセールスフォースが大幅高となり、NYダウを押し上げた。引けにかけて買いの勢いが強まり、この日の高値圏で終えた。
  ・足元で米景気やインフレの鈍化を示す経済・物価指標が目立ち、FRB高官からも現在の政策金利が適切との見解を示す発言が増えている。11/30発表の10月の米個人消費支出(PCE)物価指数ではエネルギー・食品を除くコア指数が前年同月比3.5%上昇と、9月の3.7%上昇から減速し、ダウジョーンズ通信がまとめた市場予想と一致した。
  ・個別銘柄では、セールスフォースが+9%強上げ、指数を+140ドル余り押し上げた。11/9夕に発表した2023年8~10月期決算が市場予想を上回り、通期の業績見通しを上方修正した。人工知能(AI)関連のIT(情報技術)投資が強まり、業績の追い風になるとの期待が広がった。医療保険のユナイテッドヘルスや航空機のボーイングの上げも目立った。
  ・一方、大型ハイテク株の一角が下げ、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数の重荷となった。エヌビディアやAMDなど半導体関連が売られた。ネット検索のアルファベットや電気自動車のテスラも下げた。11月のシカゴ購買部協会景気指数(PMI)が55.8と、10月の44.0から大幅に上昇し、市場予想の46.0を上回った。
  ・米長期金利が4.3%台と前日終値4.25%を上回って推移したのも、PER(株価収益率)が高く金利敏感株とされるハイテク株の売りを誘った。今月に入って大きく上げていた銘柄が多く、利益確定売りも出やすかった。
  ・NYダウの11月の上げ幅は+2,898ドルだった。月間の上昇率は+8.77%と昨年10月以来の大きさだった。

【前回は】相場展望11月30日号 米国株: 戻り高値の警戒感で足踏み、年末商戦の株価支えに注目 中国株: 海外の投資急減で成長エンジンが止まり、長期停滞傾向強まる 日本株: 円高と売買高減少が、株高にブレーキ

 2)12/01、NYダウ+294ドル高、36,245ドル(日経新聞より抜粋
  ・午前に米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が米大学のイベントで発言した。FRBによる利上げ局面が終了したのと市場の観測を後押しする内容との受け止めから、米長期金利が低下した。株式の相対的な割高感が薄れたとみた買いが膨らみ、連日で年初来高値を更新
した。
  ・パウエル議長は午前に米大学のイベントで挨拶し、金融緩和の時期を推測するのは「時期尚早」だと述べた。「適切であればさらなる金融引締めをする用意がある」と従来の見方も繰り返した。一方で、現在の政策金利の水準を「かなり引締め的」と表現し、市場では「これまでの発言よりやや金融引締めに積極的なタカ派姿勢が薄れている」との声が聞かれ、株買いを促した。
  ・12/1発表の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数は46.7と、ダウジョーンズ通信がまとめた市場予想の47.7を下回った。個別項目では「製造」や「雇用」が落ち込んだ。景気減速を示す内容だったとの受け止めから、FRBによる金融引締めの長期化観測が後退した。
  ・債券市場で米長期金利が4.2%台前半と、9月上旬以来の低水準を付ける場面があった。米金利低下で株式の相対的な割高感が和らいだ。
  ・個別銘柄では、ドラッグストアのウォルグリーンズや顧客情報管理のセールスフォース、金融のゴールドマンサックスなどが高かった。石油のシェブロンや航空機のボーイングも上昇した。ネット通販のアマゾンも買われた。一方、半導体のインテルや小売のウォルマート、ソフトウェアのマイクロソフト、医療保険のユナイテッドヘルスが売られた。前日に新型車の出荷を始めた電気自動車のテスラは下落した。