<HIGH END>「ミュンヘン・ハイエンド2024」開幕。“多様性”を体現するさまざまな提案が登場

5月9日(木)に開幕した「ミュンヘン・ハイエンド2024」。プレスカンファレンスでは、今年のアンバサダー・マンドキ・ソウルメイツのレスリー・マンドキが登場するほか、今回のテーマである「Diversity」(多様性)についてさまざまな角度から語られた。

事前登録のデータによると、今年のブース数は全部で513用意され、来場者は22,000人以上、メディアも43か国から570人が集結することになるという。新しい試みとして「WORLD OF HEADPHONES」というヘッドホン特化のエリア、「GAMING ZONE」というゲームを深く楽しむためのエリアを新設。昨年に引き続き「START-UP AREA」が設けられるほか、部品供給メーカー、サプライヤーなどが集まる「IPS SHOW」も併設されている。

「“多様性”については、まずはなによりさまざまなジャンルのオーディオ製品が一堂に会する場であることがあります」と代表のステファン氏。「ターンテーブルやCDといったクラシックなスタイルから、ヘッドホン/イヤホン、ゲーミングまで、音を楽しむ提案を行う幅広いブランド集結しています。特に近年ではコンピューターの進化により、ゲームの体験がますますリッチになってきています」とミュンヘン・ハイエンドの新しい取り組みを解説する。

また音楽制作サイドからの“多様性”として、マンドキ・ソウルメイツはさまざまなジャンルの音楽をミックスした独特の世界観が特徴で、今回の“多様性”を体現する存在としてアンバサダーをオファーしたとコメント。イベントに合わせて新作アルバム『A Memory Of Our Future』をリリース、アナログ録音にこだわったアルバムになっているという。

レスリー・マンドキ自身も、「ミュンヘン・ハイエンドにはこれほど洗練されたハイレベルなオーディオシステムが集結していることに大変驚きました」とコメントするとともに、「音楽制作サイドとしても、高いクオリティで録音しなければならないと改めて感じましたし、それがきちんと再生されることを期待しています」とエールを送る。「音楽は“多様性”を象徴するものでもあると感じていますし、音楽の力によって人類に平和がもたらされることを願ってやみません」と音楽の持つ力を改めて訴える。

さらに、2020年にアンバサダーを担当したスティーブン・ウィルソンも今回イマーシブオーディオを含むさまざまなデモンストレーションを予定している。「最初は2chメインのイベントでしたが、現在はフォーマットの進化によりオーディオはさらなる可能性を秘めていると感じています」と、ステファン氏もオーディオのさらなる未来に期待を寄せる。

最後に、Vinyl Allianceというレコードの魅力を未来に伝えるという目的で設立された業界団体のトーマス・ニューロス氏が登壇。Vinyl Allianceは2019年に設立された団体で、ユニバーサルミュージックやワーナーミュージックといったレコードレーベルから、オルトフォンなどのオーディオ機器メーカー、プレス機器メーカーや素材メーカーなど、グローバルにレコード産業に携わるカンパニーが加盟している。

「音楽を聴くスタイルは特に2010年以降、大きくストリーミングに移り変わり、その発展はまだまだ続いています。しかしその一方で、改めて“フィジカルメディア”の重要性も増しています」とコメント。レコード市場はアメリカが現在最も大きく、ついでイギリス、ドイツ、フランス、カナダと続き、日本は第6位。だが昨年比の伸び率については、+43%と日本が一番大きいという統計データを公表。

「私たちはレコード産業を一時的なブームではなく、持続可能なものにしていかなければならないと感じています。そのために、新しい提案として“グリーン・ヴァイナル”も考えています。再生ペットボトルからのリサイクル素材を使用することで、エコロジカルでサステナブルな社会に貢献できるのではないかと考えています」

“グリーン・ヴァイナル”はプレス関係者向けに1枚ずつ配布された。残念ながらいま試聴することはできないが、「音質」面については帰国後に改めて検証したい。