ブラックホールについての記事などを読むと、ブラックホールの大きさは「太陽の●倍の質量」というように、質量で表されているのを見ることが多いと思います。たとえば私たちが住む天の川銀河の中心にある超巨大ブラックホールは、太陽の約400万倍の質量をもっているといわれています。とても大きそうだということはなんとなく分かりますが、半径でいうとどれくらいになるのか想像はつくでしょうか。

ブラックホールの半径は「事象の地平面」までの長さ

ブラックホールにある程度以上近づくと、光でさえ逃げられなくなるなります。そのような、光が外に向かえずに中心に落ちていってしまうようになる境界は「事象の地平面」と呼ばれます。そして事象の地平面の半径のことを「シュバルツシルト半径」といいます。ブラックホールの大きさは、このシュバルツシルト半径のことです。

ブラックホールの半径Rは、意外と単純な以下の計算式で求めることができます。

R=2GM/c2

式の中のMが質量、Gは万有引力定数、cは光速です。Gとcは物理定数なので値はいつも変わりませんから、ブラックホールの半径Rは質量Mに比例することになります。

たとえば太陽(質量1.98884×1030kg)のシュバルツシルト半径は約3km(もう少し正確にいうと約2.95km)になります。つまり太陽を約3kmまでぎゅっと縮めることができればブラックホールになってしまいます。地球(質量5.972×1024kg)であれば約9mmです。

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太陽質量の5000万倍のブラックホールは地球の公転軌道と同じ大きさ

ブラックホールには、大質量星などからできる恒星質量ブラックホールと、銀河中心にある超巨大ブラックホールがあることが知られています。

前述したように、ブラックホールの質量と半径は比例します。つまり太陽の10倍の質量をもつブラックホールの半径は約30km、100倍の質量のブラックホールの半径は約300kmになります。恒星質量ブラックホールは、意外と小さいと思いませんか。

銀河中心にある超巨大ブラックホールの半径は、さすがにもっと大きくなります。私たちの天の川銀河の中心にある超巨大ブラックホールの質量は、太陽の約400万倍といわれています。計算すると、半径は約1200万kmとなります。太陽系では、太陽からいちばん内側の水星までの平均距離が約5790万9000kmですから、その4分の1ほどの半径です。

他の銀河の中心には、もっと質量の大きなブラックホールが存在しています。たとえば太陽の5000万倍の質量をもつブラックホールの場合、半径は約1億5000万kmになります。これは太陽〜地球間の平均距離とだいたい同じです。つまり太陽質量の5000万倍のブラックホールの大きさは、地球の公転軌道と同じくらいということになります。質量が太陽の15億倍だと、半径がほぼ海王星の軌道と同じくらいになります。

(参考記事)超巨大ブラックホールの大きさは? 太陽系と比較した映像をNASAが公開

Image Credit: NASA’s Goddard Space Flight Center; background, ESA/Gaia/DPAC