仕事をしていると「もう無理」と感じてしまう場面はありますが、決して甘えではありません。ストレスで心身ともに限界を迎えている状態です。この記事では原因や仕事がもう無理と思った時に出る症状を解説します。体のSOSに耳を傾けて、取るべき行動もご紹介します。仕事で辛い思いをしている人は、ぜひ参考にしてください。

仕事が無理と感じる主な原因

仕事が無理と感じる主な原因として「人間関係」「仕事の適性」「労働環境」の3つが挙げられます。仕事は人と人とが協力しあいながら進めるため、円滑な人間関係が仕事の進めやすさを決めるといえるでしょう。

感情や行動をコントロールすることで仕事に支障が出ないようにするものですが、人によっては苦手な人への攻撃、排除をする場合もあります。攻撃や無視が日常的に行われると当然、精神衛生上悪影響を及ぼします。仕事や職場内環境に支障が出るようになると、次第に仕事そのものが無理だと感じてしまうのです。

また、仕事の内容が向いていないなど適性がないと感じる場合、周囲との差を感じ劣等感を抱いてしまうでしょう。このことから仕事が無理だと感じやすくなってしまいます。

適性や人間関係が問題ない場合でも、労働環境からくるストレスで仕事が無理と感じるケースもあります。パワハラの常態化、残業が多いなど働くことで心身の健康を害する環境に身を置いていた場合、ストレスから仕事が無理と感じる場面が次第に出てくるものです。

場合によっては、自分自身のキャパシティーの狭さに影響して、仕事が無理と感じてしまう原因になっていることもあります。キャパシティが狭いとものの見方や仕事の取り組み方にも悪影響を及ぼしてしまうため、気持ちにゆとりを持つためにもキャパシティを広げるべきです。

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仕事が無理になったときに出る症状とは

  • 疲れが取れにくくなる
  • 頭痛や腹痛
  • 聴覚過敏
  • 食欲不振・過多 
  • etc…

仕事が無理だと感じた場合、真っ先に出るのが疲労感です。疲労感は日常的に蓄積され、体を蝕んでいくため自覚症状がないのが特徴です。気持ちの問題、年齢のせいなど根本的な解決に乗り出さずにそのまま放置すると、疲労感は頭痛や腹痛、聴覚過敏など体の症状としてダイレクトに現れます。

これらは体からのSOSです。体からのSOSを察知し、仕事が無理と思う原因を洗い出して解決に努めることで症状は改善します。体への悪影響が出ない状態になるまで、しっかりと休息を取ることが必要です。

症状を放置してしまうとどうなる?

心身に影響が出て、体に不調が出ていても放置する人がいます。中には仕事の忙しさなどを理由に見て見ぬ振りをし、闇雲に働く人もいますが、仕事そして日常生活も体が資本であるため、無理は禁物です。

また、体が思うように動かないまでに深刻化するまで放置するのは危険です。深刻化すると完治に時間がかかることになるため、早い段階で手をうつことが大切といえるでしょう。深刻化すると、うつや自律神経失調症、急性胃腸炎など仕事や日常生活の継続が困難になります。

仕事が無理だと感じた時におすすめの対処法

仕事が無理、辛いと感じているとき、嫌な状態のまま仕事を続けても状況は良くなりません。根本的な原因と向き合ったり、仕事とは全く関係のない部分でリフレッシュしたりすることで、仕事とのバランスをうまくとることができるでしょう。それぞれの対処法について詳しく見ていきます。

適度に運動する

休日や仕事の前後の空き時間など、定期的に適度な運動をするべきです。軽い運動を続けることで心身のリフレッシュ効果をもたらし、ストレスホルモンと言われるコルチゾールが分泌されにくくなる効果があります。

仕事のことを一旦忘れ、リフレッシュに専念することでオンオフの切り替えになるものです。集中力の高まりや視野の広がりが実感できるでしょう。無理のない範囲で、息がはずみじんわりと汗をかく程度の運動を1週間のうち合計60分、毎週続けることで習慣化し、健康な体づくりの第一歩となるはずです。

休息をとる

「休息をとる」と言葉にすると、簡単なことのように思えますが、案外上手にできている人は少ないようです。仕事熱心な人ほど、休むことに後ろめたさを感じてしまい、休むべき時にも仕事について考えがちです。結果としてしっかり休めない「休み下手」になってしまいます。休息をとる時のポイントは「メリハリ」「仕事のことは頭から追い出すこと」です。

時間や空間を上手に活用しながら休息を取ることで、メリハリを生みます。また、つい浮かんでは消えていく仕事のことは考えない時間と決め、リフレッシュすることに専念します。場合によってはコーヒーや軽いストレッチなどを上手に取り入れながら、頭の切り替えをすることで休息が捗るでしょう。

ストレスに向き合う

仕事が無理と感じてしまう根本に向き合うことで見えるものがあります。仕事が無理と思ってしまう原因になっているストレスに向き合うことで、今後どうするべきか考え直すきっかけになるはずです。

ストレスに向き合うと一時的に辛い感情が湧き上がり、落ち着かないこともあるでしょう。しかし、自己分析し、信頼できる人に相談したり状況改善など働きかけることでストレスの根本を改善し、減少させることができます。

中には、自らストレスを生み出してしまう人もいます。走り方や歩き方に癖があるように、考え方にも癖があります。必要以上に考えすぎてしまう人やネガティブ思考に陥ってしまう人は、自分自身の思考の癖を見直していくことが、ストレス軽減のカギとなるのです。

仕事終わりを有意義に過ごす

仕事終わりの時間を、有意義に過ごすよう計画するのも有効です。せっかくの終業時間以降を睡眠のみに使うのは勿体無いといえます。休息はもちろん大切ですが、自分が楽しいと思えること、ワクワクすることに時間をさくのも大切です。

仕事を頑張った自分への小さなご褒美やイベントを用意しておくことで、モチベーションにもなります。「この仕事が終わったら楽しみが待っている」と思えば、辛い仕事も頑張れるはずです。

友人や家族など親しい人に相談する

友人や家族など親しい人に仕事が無理だと思う感情を吐き出し、相談することで見えてくるものがあります。感情を吐き出すことでストレス軽減の働きがあると同時に、アドバイスをもらうことで新しい視点で物事が見られるようになるでしょう。

1人で仕事が無理だと抱え込んでいると、同じ考え方や悩みを堂々巡りしてしまうことが多々あります。しかし、自分以外の信用できる人に打ち明けることで自分は1人ではないことに気づき、行動するきっかけになるものです。

無理と思う気持ちを書いて吐き出す

仕事が無理と思う気持ちに向き合うための方法として、感情を紙に書き出すことがおすすめです。心の奥に湧き上がった感情を言語化して紙に書き出し、見ることで気持ちの整理になります。同じ感情で堂々巡りになっている人も、紙に書き出して整理することで、意外な解決方法が見つかることもあるでしょう。

紙に書き出していくことで「自分はこんな感情を持つんだ」と客観的な目で見ることができます。一歩引いたところから自分自身を受けとめることができるのです。

どうしても仕事が無理なときは休職や転職がおすすめ

対処法を実践しても一向に改善が見られないときは、環境を変えてみるのがおすすめです。無理に仕事を続けてしまうとストレス過多の状態になり、体調を崩してしまうかもしれません。ここでは休職と転職のそれぞれのメリット・デメリットについて解説していきます。

休職のメリット

職場に在籍しながら回復のために休めるため、治療や急速に集中することができる
休職して休息に専念することで気持ちの落ち込みや不安感から離れることが可能です。問題の根本となっている仕事から距離を取り、自分自身のことに専念することで心身の疲れやリフレッシュ、治療のための時間をしっかり捻出することができます。

休職のデメリット

復職した時に気まずさを感じる人も、周囲から昇級や昇進で遅れをとる可能性も
仕事をしていると、つい「忙しいから」「仕事があるから」と後回しにし、しっかり休むことができないものです。物理的に距離をとって休むことに専念できる一方で、復職後の気まずさや昇級にハンデを感じる人もいるでしょう。しかし、何事も健康な体が資本のため、自分の健康を第一に考えて行動してください。

転職のメリット

新たな環境・仲間との間で全てリセットして再スタートを切ることができる
転職することで新天地で新たな再スタートを切れるのが最大のメリットです。これまでの人間関係や仕事内容、給与など自分の力では改善が難しいことに悩まされ、仕事が無理と感じていた人に適した方法です。

転職のデメリット

絶対に転職が成功するとは限らず、転職先を誤ると元の職場より状況が悪化する恐れもある(職場環境、給与、同僚や上司などの人間関係など)
転職すれば全てが解決すると考えるのは早計です。転職先は星の数ほどあることから分かるように、転職には成功も失敗もあるものです。十分考えずに転職活動をすると、元の職場の状況よりも悪化する恐れもあります。転職を失敗しないためには以下の章も参考に行動すべきです。

転職に向けての行動

自分自身の行動の変化や気持ちの切り替えでもストレス軽減に繋がらない場合、転職も視野に入れて行動を起こすべきです。
転職に向けての具体的な行動として「転職サイトの登録」「転職エージェントの利用」「経験やスキルの棚卸し」が挙げられます。

経験やスキルの棚卸し

自分にできることは何か見直し、今後に生かすために必要不可欠なアクションです。これまでの行動や仕事を踏まえて今後取り組みたいことは何か考えていくことでキャリアプランを考えます。

転職サイトの登録

転職サイトに掲載されている求人をこまめにチェックすることで、現状を読み取ることができます。求められている人物像や必要なスキルなどを読み取ることができるのみならず、過労やストレスで体を壊す前に行動に移すきっかけになるでしょう。

転職エージェントの利用

転職エージェントは転職希望者と求人を行っている企業の架け橋として繋ぐ働きをします。また、転職希望者の希望や強みを引き出し、転職成功に導くこともできるため、第三者の客観的な意見を参考に幅広い選択肢を検討したい人にもおすすめです。

転職エージェントが求人応募や面接対策、内定後の交渉まで一手に引き受けてくれるため、効率的に自分の適性や希望にあった仕事に出会うことができます。登録や利用は無料なので、転職のための手段の1つとして登録するべきです。

転職で失敗しないために気をつけるべきこと

転職で失敗しないために気をつけるべきことは、幅広い視野を持つよう意識すること、そして多様な選択肢を検討しながらワークライフバランスや健康を意識することです。「これしかない!」と凝り固まった考え方をすることで視野そして自分自身の可能性も狭めてしまうことになります。

これまでの経験やスキル、キャリアプランなどを客観的に分析した上で広い視野で多様な選択肢を検討してみてください。場合によっては第三者の意見も参考にすることでさらに可能性は広がるでしょう。仕事は人生をよりよくするための手段であって、「仕事のための人生」ではありません。

仕事ばかりでは健康を害してしまいます。オンオフともに健康に充実した日々の中で仕事をするためにも、考え方をシフトしていくことが大切です。健康があってこそ、毎日の仕事をよりよいパフォーマンスで発揮することができます。社会人として元気に働き続けたい人は、従業員が心身ともに健康的に働くことができる健康経営優良法人に認定されている企業を選んでください。

まとめ:仕事無理となる前に早めの対策を

  • 仕事が無理と思うのは心身ともに限界をむかえている、体からのSOS
  • あまりにも辛い思いをしている場合、休職や転職も選択肢の1つ
  • 転職する場合は、広い視野で今後のことを検討すべき

仕事が無理と思うほどに自分自身を追い詰めてしまうと、心身に負担がかかります。体からの声に耳を傾け、健康的に長く働くためにも原因を理解し、解決するよう働きかけるのがポイントです。休職も転職もそれぞれメリット・デメリットが異なるため、置かれている状況に合わせて検討してください。