TDK・京セラ・村田製作所…電子部品大手3社は全社増収営業増益へ、けん引役は?

電子部品大手3社の2025年3月期は車向けが堅調とみる。通期業績予想について、全社が前期比で増収営業増益を見込む。サプライチェーン(供給網)全体での在庫消化の進行のほか、主に電動車(xEV)市場の拡大に伴う車向け部品がけん引役となりそうだ。加えてスマートフォン市場の緩やかな回復も、将来的に各社の業績に寄与する見通しだ。最終需要の立ち上がりが鈍化した24年3月期から一転し、回復の兆しが見え始めた。

25年3月期のTDK、京セラ、村田製作所の連結営業利益予想合計は前期比22・6%増の5900億円。TDKの斎藤昇社長は「xEVを中心とした自動車分野がけん引役となるだろう」と見通す。また、村田製作所の村田恒夫会長は「通信、モビリティー市場はこれから伸びると確信している」という。

在庫の消化も進みつつある。村田製作所は自社と客先ともに在庫消化が進み、積層セラミックコンデンサー(MLCC)工場の25年3月期の操業度は85―90%と適正水準への回復を見込む。また京セラは電子部品について、流通在庫と顧客在庫がともに残っている状況ではあるものの、比較的順調に減少しているという。

一方スマホ市場は踊り場にあるが、緩やかに回復する見通しだ。村田製作所の村田会長は「24年3月期は全体的には若干の回復」と振り返る。京セラは携帯電話向けSMD(表面実装部品)パッケージなどの受注状況は回復までにいたっていないが、受注状況は下期(24年10―25年3月)にわずかに回復するとみる。スマホ市場の回復に備え、TDKはシリコン負極の小型リチウム電池といった高付加価値品を伸ばす方針だ。

「人工知能(AI)処理ができる高性能プロセッサーの電子機器への搭載が電子部品需要を押し上げる契機になるだろう」(野村証券の秋月学アナリスト)との見方もある。例えばAIスマホといった製品への需要の増加はメーカーにとっての追い風になりそうだ。

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