求人サイトを運営する各社が3月度のパート・アルバイト時給動向を発表。春闘で良好な回答が多かったことから、4月以降の賃金水準に時給を上げた案件や、学生アルバイトの入れ替えを見据えて時給を上げた案件が増えたことで、幅広い業種や職種で時給アップにつながったことが分かった。

【前月は】2月のバイト時給は上昇続く、正社員の賃金アップが影響

■マイナビは18カ月連続で前年同月上回る

 12日、マイナビが3月の「アルバイト・パートの平均時給レポート」を発表した。全国平均時給は前年同月比41円増の1,230円となり、18カ月連続で前年同月を上回った。

 業種別で時給が上がったのは、「販売・接客・サービス」系のカウンター業務が1,172円(前年同月比:100円増、以下同じ)、ガソリンスタンド・クルマ関連が1,086円(52円増)、コンビニ・スーパーが1,068円(55円増)、その他販売・接客・サービスが1,131円(91円増)、ドラッグストア・量販店が1,086円(56円増)、パン・スイーツ・食品販売が1,119円(56円増)、ホテル・ブライダル・トラベルが1,215(80円増)、書店・CD・DVD・レンタル店が1,062円(105円増)。

 「教育」系のその他教育が1,309円(167円増)、家庭教師が1,831円(66円増)。「アパレル・ファッション」系のその他アパレル・ファッションが1,238円(107円増)、雑貨・コスメ販売が1,088円(98円増)。

 「エンジニア・サポート・保守」系のSE・プログラマが1,450円(69円増)、テクニカルサポート・保守・テスターが1,616円(310円増)。「クリエイティブ・編集」系の映像/音楽制作・フォトグラファーが1,028円(59円増)。「イベント・キャンペーン」系のアンケート・調査・企画が1,447円(154円増)。

 「医療・介護・保育」系のその他医療・介護・保育が1,268円(155円増)、ヘルパー・介護が1,411円(51円増)、医療専門職が1,407円(51円増)、看護師・准看護師が2,048円(344円増)、薬剤師・登録販売者が1,760円(161円増)。

 「飲食・フード」系のカフェが1,143円(69円増)、キッチン・調理補助が1,138円(50円増)、その他飲食フードが1,171円(156円増)、ファミリーレストランが1,064円(51円増)、ホールが1,179円(83円増)、居酒屋・バーが1,172円(54円増)。

 「レジャー・アミューズメント」系のスポーツジム・スパ・レジャー施設が1,204円(170円増)、映画館・遊園地・テーマパークが1,099円(53円増)。「エステ・理美容」系のボディセラピスト・エステティシャンが1,109円(138円増)。

 「オフィスワーク」系のその他オフィスワークが1,233円(74増)。「警備・清掃・ビル管理」系のその他警備・清掃・ビル管理が1,086円(62円増)。「軽作業」系のその他軽作業が1,238円(70円増)。

 「工場・倉庫・建築・土木」系の建築・土木・設備作業が1,913円(443円増)、食品製造・加工が1,131円(83円増)、製造・ラインが1,321円(65円増)。「配送・引越・ドライバー」系のデリバリー・バイク便が1,144円(51円増)、配達・配送・ドライバーが1,285円(148円増)など。

 反対に時給が下がったのは、「営業」系の営業アシスタントが1,049円(105円減)。「クリエイティブ・編集」系の編集・制作・校正が1,126円(53円減)。「イベント・キャンペーン」系のサンプリング・PRが1,434円(114円減)、その他イベント・キャンペーンが1,292円(123円減)。

 「軽作業」系の搬入・搬出・会場設営が1,877円(51円減)。「工場・倉庫・建築・土木」系のその他工場・倉庫・建築・土木が1,110円(261円減)など。

 地域別では北海道・東北が前年同月比38円増の1,094円、関東が同48円増の1,310円、甲信越・北陸が同5円減の1,104円、東海が同18円増の1,154円、甲信越・北陸が同4円減の1,122円、関西が同30円増の1,227円、中国・四国が同10円増の1,070円、九州・沖縄が同50円増の1,119円だった。

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■リクルートは前年同月比プラス続く

 同日、リクルートのジョブズリサーチセンターが3月の「アルバイト・パート募集時平均時給調査」を発表した。3大都市圏(首都圏、東海、関西)の平均時給は、前年同月比45円増の1,188円となり、35カ月連続で前年同月を上回った。

 新年度に向けて長期間継続する職種や業種における人材募集が増える時期であることに加えて、春闘の賃上げの影響により時給アップが続いているという。

 職種別で時給が上がったのは、「販売・サービス」系のレジが1,131円(前年同月比:63円増、以下同じ)、販売が1,149円(54円増)、化粧品販売が1,120円(69円増)、ホテルスタッフが1,227円(57円増)、イベントスタッフ(設営・運営など)が1,269円(63円増)、チラシ配布・キャンペーンスタッフが1,302円(76円増)、カーディーラーが1,136円(51円増)。

 「フード」系のファストフードが1,177円(70円増)。「製造・物流・清掃」系の組立・生産(重工業除く)が1,270円(94円増)、構内作業・フォークリフトが1,390円(50円増)、警備員・監視員・パーキングスタッフが1,213円(81円増)、ビルメンテナンス・施設管理が1,220円(60円増)。「事務」系の受付が1,229円(73円増)、電話応対が1,299円(76円増)、コールセンタースタッフが1,477円(66円増)、データ入力が1,340円(63円増)、医療事務が1,146円(55円増)。

 「専門職」系の看護師が2,082円(307円増)、医療関係従事者が1,410円(140円増)、介護スタッフが1,262円(56円増)、サービス管理責任者・サービス提供責任者(介護・福祉系)が1,263円(52円増)、美容系職種が1,176円(71円増)、幼稚園教諭が1,253円(77円増)など。

 反対に時給が下がったのは、「販売・サービス」系のホールスタッフ(パチンコ・遊技場)が1,278円(8円減)、「専門職」系の塾講師が1,469円(17円減)の2職種に留まった。

 地域別では首都圏が前年同月比49円増の1,231円、東海が同41円増の1,102円、関西が同30円増の1,144円となり、3地域とも引き続き前年同月を上回っている。