トヨタ「クラウンスポーツ」、開発者が語る魅力

【ミッドサイズビークルカンパニー MS製品企画 ZS主査 本間裕二氏】

1955年に誕生し、70年間にわたりご愛顧いただいているトヨタ自動車の旗艦ブランド「クラウン」。16代目は「クロスオーバー」「セダン」「エステート」「スポーツ」と四つのボディータイプを用意した。静粛性や快適性など全てのクラウンに共通する考え方である“クラウンネス”を基盤としつつ、それぞれのクルマの個性に合った作り分けに取り組んでいる。

クラウンスポーツのコンセプトは「新しいカタチのスポーツSUV」。ぱっと見て感じるかっこよさと、それを後押しする俊敏な動きを突き詰めてきた。「硬いだけがスポーツじゃない」という価値観の中で、走りの楽しさやエモーショナルなデザインにこだわり「楽しいか、楽しくないか」を判断基準にした。

具体的な走行シーンでいうと、コーナリング時にコーナー手前で減速する際、「対向6ピストンブレーキキャリパー」によってリニアでダイレクト感のあるブレーキフィーリングを味わえる。

旋回中は電子制御サスペンション(AVS)によってロール(横揺れ)を抑えながら、車両姿勢変化を低減。しなやかに安定した旋回姿勢をつくることができ、コーナー出口では早いタイミングでアクセルを踏んでもらえる。ユーザーは意図通りにクルマを動かす感覚を体感してほしい。

クラウンスポーツはハイブリッド車(HV)とプラグインハイブリッド車(PHV)の二つのパワートレーン(駆動装置)を設定した。PHVのシステム最高出力は225キロワット。モーター特性を生かして、パワフルでシームレスな加速を実現した。電気自動車(EV)航続距離は90キロメートル。日常の使用シーンにおいては実用的なEVとして活用できる。 

内装はレッドとブラックを左右非対称に配色した。運転席側は運転に集中できるブラックで統一し、助手席側を見ると華やかなイメージのレッド。より高揚感を感じられるように作り込んだ。乗る前に視覚的に気分を高め、乗り込んだ後も適度な「包まれ感」で、ドライバーとクルマが一体となれる。

PHVならではの利便性も追求した。普通充電に加えて急速充電も設定し、充電時間を大幅に短縮できる。またクルマに蓄えた電気を住宅で利用できるビークル・ツー・ホーム(V2H)も設定した。災害による停電時などに蓄電池として活用が期待できる。

【記者の目/日常使いはほぼカバー】

クラウンでPHVは初。高出力の駆動用モーターを搭載し、HVと比べても、より一層スポーティーさを強調した。充電インフラの普及を背景に急速充電機能も搭載し、満充電からのEV走行距離は90キロメートルと日常使いはほぼカバーできそうだ。PHVならではの強みを生かし、選択肢の一つとして顧客層拡大に貢献するか注目される。(名古屋・増田晴香)