一般的にホワイト企業とは「福利厚生が手厚い」「給与水準が高い」など従業員への手厚い体制が整っている企業のことです。そして、そのホワイト企業のなかには、並のホワイト企業をはるかに超えた好待遇の「超」ホワイト企業ともいうべき企業が存在します。

この記事では、そのような超ホワイト企業への転職を目指すときのポイントを解説します。

超ホワイト企業と呼ばれる会社の特徴とは?

一般に、福利厚生が整っている、退職率が低いなどの特徴がある会社をホワイト企業と呼びますが、「ホワイト企業」に明確な定義は存在しません。ただ、言えることとして、多くのホワイトと呼ばれる企業は社員の事を考えている会社です。

社員のことを第一に考えているからこそ、従業員が長く勤めやすい、安心して働ける環境を提供しています。ホワイト企業と呼ばれる企業の社風や様子を詳しく知りたい方は、こちらの記事も併せてご覧ください。

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そのホワイト企業よりも、さらに従業員が働きやすい職場環境を提供する「超ホワイト企業」はどのような会社なのでしょうか。この記事では「企業の安定性」と「労働組合の有無」、そして、「国の認定基準」の3点を超ホワイト企業の特徴としています。

h3:安定した業界の老舗企業である

1つ目の特徴として、安定した業界の老舗企業であることが挙げられます。例えば、水道や電気などの社会インフラに関わる仕事は、人々の生活を支える上で必要不可欠な仕事であると同時に、取引相手は国や地方自治体など長期にわたって取引する相手ばかりです。安定した業界だからこそ、企業の経営状況は非常によく、従業員にも安定して高給を渡し続けることが可能です。他にも、化学や電機メーカーなどのBtoBを軸にした企業も、景気や社会の流行り廃りに左右されずに需要が存在するため、安定した経営状態が続いており、平均よりも高給が見込める企業と言えます。

また、10年20年以上安定して会社を続けるためには、人材育成が欠かせません。老舗企業ということは、新人を育て、その新人が次の新人を育てるというサイクルが確立できている証明です。新人の定着率が高い企業は、働く上での不満が少なく、従業員から見て長く勤め続けたい企業に違いありません。

h3:労働組合がある

労働組合があることも超ホワイト企業の特徴と言えます。どれほど会社がパワハラやセクハラ防止に気合を入れていても、実際に発生するのは働いている人がいる現場であり、被害に遭った従業員の声を上層部に届けることは、一従業員では難しいのが実情です。一方、労働組合であれば団体交渉を行えるため、労働組合に加入すれば会社側に不当な取り扱いについて真摯に対処してもらえる可能性が非常に高まります。

他にも、労働組合があることで、一個人では交渉が難しい賃上げや職場環境の改善などの要望もしやすくなります。会社に対して意見をいう場があることは、何かあったときに自分や同僚を守る安全対策です。また、労働組合の設立を認めている企業は、それだけ従業員側との交渉を望んでいる企業でもあります。不満や意見に耳を傾けてくれるのも、従業員を大切にしているからに他なりません。

h3:職場環境が国の基準をクリアしている

最後の特徴として、職場環境が非常に整っていることが挙げられます。やはり企業は人の集合体であるため、人と人とのつながりが非常に重要です。超ホワイト企業は、その点を非常に意識しており、新人へのサポート体制、女性の働きやすさなど勤める人と人が助け合える環境づくりに日々取り組んでいます。

また、経済産業省や厚生労働省は「人の働きやすさ」にフォーカスして、企業に対するいくつかの指標を設けています。日々、従業員の働きやすさを考えている超ホワイト企業は、多様な認定を受けていることでしょう。超ホワイト企業だからこそ受けられる、代表的な国の基準について紹介します。

h4:安全衛生優良企業認定

安全衛生優良企業認定は、厚生労働省が認可している労働者の安全や健康を確保する取り組みを積極的に行っている企業を認定する制度です。労働安全に関する法令が遵守されていることは当然ですが、労働者の心身を健康に保つ取り組みを行っている企業だけに認められています。

また、認定を受けた企業は認定マークを利用可能です。取引先や社内だけではなく、求職者に向けてもアピールできる点なので、ホワイト企業か否かを判断する1つの指標と言えます。
参考:安全衛生優良企業公表制度について |厚生労働省

h4:えるぼし認定・プラチナえるぼし認定

えるぼし認定は女性活躍推進法に基づき、令和元年から厚生労働省が始めた比較的新しい認定制度です。従業員数が100人を超える企業に対して、女性活躍に関する情報公開を義務化、その中でも女性の活躍推進が盛んな事業者がえるぼし認定を受けます。さらに、その認定を受けた企業の中でも、特別に優良な企業に対してはランクの高いプラチナえるぼし認定が与えられます。

えるぼし認定があるということは、産休や育休などの女性が働く上で不可欠な制度が十分に整備されている企業であると言えます。ワーキングマザーが柔軟に働ける「フレックスタイム制」や「テレワーク」などの導入も盛んに行われており、女性は勿論、男性にとっても働きやすい職場と言えるでしょう。
参考:女性活躍推進法特集ページ(えるぼし認定・プラチナえるぼし認定)|厚生労働省

h4:健康経営優良法人認定制度

従業員の健康は組織の活性化をもたらし、結果的に企業の業績向上や株価向上が期待されます。また、単純に従業員が健康であれば長く勤めてくれるため、人の出入りが少なくなり企業の運営が安定します。今や、企業にとって従業員の健康を守る活動は、会社を存続させる上で当然とも言える業務の一環です。

経済産業省が定める健康経営優良法人認定制度は、特に優良な従業員の健康を守る健康経営を行っている企業を認定するものです。その企業の中でも上位の企業には、大規模企業に「ホワイト500」、中小企業に「ブライト500」の認定が与えられます。日本に何万社と存在する企業の中でも、従業員の健康に気を使ってくれる上位企業なので、間違いなくホワイト企業でしょう。
参考:
健康経営優良法人認定制度| MET 経済産業省
これら国の定めた基準のほか、一般財団法人日本次世代企業普及機構が定めている「ホワイト企業認定」やホワイト企業総合研究所が定める「優良ホワイト企業認定」などの制度も存在し、いずれも厳しい審査基準が設けられています。
参考:
ホワイト企業認定概要 | ホワイト企業総合研究所
ホワイト企業認定について | 一般財団法人 日本次世代企業普及機構

従業員を大切にする会社は、良い会社

人は1日の3分の1以上の時間を働いて過ごしています。それだけ長い時間働いているならば、少しでも条件や待遇の良い会社で働きたいと思うのは普通のことです。しかし、ネームバリューや求人票などの表に出ている情報だけでは、本当に「超ホワイト企業」かは判断できません。本当に働いている従業員の事を大切にしてくれる会社を選びましょう。