テクノロジーの黄金時代だった90年代には、さまざまなWebサイトがうまれました。しかし当時のWebデザイナーは、現代では考えられないようなさまざまな間違いを経験しながら、黎明期のWebサイトを作っていたのです。

本記事では、カオスだった90年代のホームページ制作について解説します。

Webデザインはほぼ手探り

1995年頃はWebという存在自体が新しく、Webサイトを所有している組織はほとんど存在していませんでした。Webデザイナーの仕事は手探りで、お手本にできるWebサイトもなく、理想的なWebサイトの構成要素を教えてくれる人もいません。

前例がないことにはメリットもありました。あらゆるデザインやレイアウトを自由に試すことができ、独自のスタイルを確立するチャンスもあったのです。

しかし、もちろんデメリットもありました。アクセシビリティが考慮されておらず、色のコントラストや文字の大きさ、アニメーションなどに問題がある、見づらいWebサイトが数多くありました。

当時のWebデザイナーは、失敗を繰り返して学びながら、自分たちのスタイルでWebサイトを作っていたのです。

2000年代初頭にありふれていた個人サイトを、あえて2021年に自作してみた

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ツールはメモ帳とペイントだけ

コードエディタからプロトタイピングまで、現代のWeb制作はさまざまなツールに支えられています。

しかし黎明期のWebデザイナーには、現代のような便利なツールはありませんでした。Photoshopもバージョン5.5まで「Web用に保存」という選択肢はなく、Windowsのメモ帳とペイントツールを活用していました。

もちろん、コードヒントのような便利な機能もありません。プロジェクトにクイックスタートを提供するフレームワークもなかったため、コーディングはすべて手作業です。

HTMLを学ぶためのリファレンスは、一握りの分厚い本のみ。多くの人は、他のWebサイトのソースコードを見て学びました。まだCSSやJavaScriptが登場する前のことです。