南海トラフ巨大地震による東京の被害!タワマンは大丈夫なのか

今回は、もしも南海トラフ巨大地震が発生した際の、首都である東京への影響についてのお話です。

南海トラフ巨大地震は2020年1月時点で、30年以内に起きる確率が70~80%とされています。

本記事を執筆している2023年11月においては、既にほぼ4年が経過しようとしているため、発生確率は高くなっています。

今回は、高層ビルやタワーマンションが多い東京都の被害について考えてみます。

南海トラフ地震における東京都独自の被害想定を確認

南海トラフ巨大地震の被害想定は、2013年(平成25年)3月18日に「第二次報告」が公表されましたが、政府の公表値を東京都がさらに独自分析して、同年5月14日に公表しています。

ここでは、東京都独自の被害想定を確認してみましょう。

東京都の島しょ部で津波の影響が大きくなる

南海トラフ巨大地震にて恐れられているのは、地震による津波被害です!

津波の恐ろしさは東日本大震災で、全国民が改めて思い知らされたはずです。したがって、東京都でも島しょ部と呼ばれる島ごとの詳細な被害想定を計算しています。


東京都 南海トラフ巨大地震等による東京の被害想定について

島ごとの津波被害は新島の30.16mが最大であり、次いで神津島の28.43m、式根島の28.15mとの予想です。

しかし、島の急峻な地形により浸水しない地域も多いとされ、建物や人的被害は少ないと想定しています。

東京都心部への津波高は江東区の最大2.48m


東京都 南海トラフ巨大地震等による東京の被害想定について

都心への津波の影響は低く、最高津波高は江東区の2.48mであり、そのほかの地域でも水門を閉鎖すれば2.0m前後で済む想定です。

浸水被害もほとんどない状況なので、都心への津波被害はないと考えてよいでしょう。

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南海トラフ地震による東京の震度は5弱が最高!死者数は1,500人

では、地震による揺れはどうなっているのか確認すると最大で5強、次いで5弱との想定です。死者数は東京都独自の想定は計算されてなく、政府の被害想定によると1,500人が死亡するとされています。


東京都 南海トラフ巨大地震等による東京の被害想定について

東京都における被害想定を独自に集計

ここで南海トラフ巨大地震における東京都の被害想定を、朝日新聞デジタルの公表値から独自に集計してみました。

 被害項目 被害件数 
死者 1,500人
全壊建物 2,400棟
浸水面積 14.0平方キロ(ほぼ島しょ部)
断水 15万人
下水道 8万2,000人
停電 1万2,000軒
ガス ほぼなし
避難者数(1日) 1万5,000人
避難者数(1週間) 2万人
被害総額 6,000億円

朝日新聞デジタル

このように、東京都でも多くの被害が発生すると想定されています。