【「楽天うまいもの大会」参加店舗に聞く】今年の傾向や挑戦とは?

楽天グループ(楽天)は10月18~24日、ECモール「楽天市場」の人気グルメを集めた「楽天うまいもの大会」の第10回を名古屋駅直結の百貨店「ジェイアール名古屋タカシマヤ」で開催した。新型コロナウィルスが第五類に移行してからは初の開催となり、昨年を上回る66店舗(うち初出店22店)が参加した。今年の傾向や挑戦について、3店舗に聞いた。



▲今回も多くの来場者が押し寄せた



<「愛情たらこのみなと」、震災乗り越え10回目の参加>

湊水産が運営する「愛情たらこのみなと」は、東日本大震災を乗り越えながら、今年で連続10回の出場を果たした。

「今年はいつもに増して活気がある。まとめ買いが目立ち、客単価が上がった印象だ。このような催事だと、普段の1カ月分を超える売り上げが出ることもある」(営業部長 岩本淳氏)と話す。



▲「愛情たらこのみなと」を運営する湊水産の営業部長 岩本淳氏

創業当初は、たらこを販売していたが、東日本大震災をきっかけに、常温商品としてお茶漬けを開発した。このお茶漬けについて、「現在の売り上げの約半分を占める。タイやサバを使ったものが人気」と話す。今年は同イベントの10周年を記念し、金箔を使ったお茶漬けセットを販売した。



▲大きめの具材が特徴のお茶漬け(公式サイトより)

「冷凍と常温の両方の商品を販売している。袋詰めなどのオペレーションで手間取ってしまうこともあるが、10回目の出店なので、全体的に慣れてきた」(同)と言う。
 
同社は、「石巻のおいしいものを全国に広めたい」(同)という思いを持つ。

「震災をきっかけに、石巻の10社が集まってできた共同体。それぞれの店の商品やノウハウなどの強みを分かち合っている」(同)と話した。

<「ヤマサちくわ」、豊橋の老舗が若者へ訴求>

ヤマサちくわは、リング状にしたちくわの天ぷらを実演販売した。同社は愛知・豊橋の老舗として知名度が高く、出店は昨年に続く2回目。同大会で限定商品を販売し、ファンの年齢層の拡大を狙った。

「昨年は定番商品の練り物を販売した。目新しいものが好まれる催事ということが分かったので、今年は新規ファンの獲得を目指し、新たな挑戦をした」(営業部 神谷桃子氏)と話す。



▲ヤマサちくわの営業部 神谷桃子氏
 
同大会限定で実演販売するちくわの天ぷら「ちくわdeリング」は、紅生姜、カレー、青のり、黒ごまの4種類の味わい。販売状況については、「全種類を買う方が多く、売れ行きが良い」(同)と話した。



▲ちくわをポップなイメージにした

「地味に思われがちなちくわを、ポップなイメージにした。若い方もスナック感覚で食べてもらえたらうれしい」(同)と言う。

今後については、「この商品をきっかけに『ヤマサのちくわ』のおいしさに気付いてもらい、ギフト向けなど、強みのあるジャンルの購入へとつなげたい」(同)と意気込んだ。

<「おいもや」、1位不動の人気店が初の実演販売>

おいもやは、初回から10回連続で参加している。同大会の売り上げランキングにおいて「不動の1位」の座を獲得している。今回は福袋などに加え、初めてとなるシェイクを実演販売した。

「今年は『おいもや』の『楽天市場』出店の20周年でもあるので、気合いを入れた。シェイクは見た目のかわいさと味にこだわり、好評だ。1日500杯を目標としていたが、初日は550杯ほどが売れた」(関谷夕佳代表)と話す。



▲関谷夕佳代表

物販の目玉となるのは、「おいもスイーツ福袋」だ。

「今年は『ありがとう』にかけて10種類を詰め合わせ、1日600セットで販売した。昨年も大人気だった『丸干し干し芋』や、名古屋らしい『味噌スイートポテト』が入っている」(担当 花井紀裕氏)と説明した。



▲人気の干し芋

リピーターが多く、今年も大盛況だったという。