高性能シリコン太陽電池、東工大が危険ガス使わぬ製造手法開発

東京工業大学の宮島晋介准教授と李莎莎大学院生は、高性能なシリコン太陽電池を安全に製造する手法を開発した。結晶シリコンの表面に強い爆発性と毒性を持つ原料ガス(SiH4ガス)を使わずに、高速かつ低ダメージでキャリア再結合抑制効果の高い薄膜を形成する。シリコンヘテロ接合太陽電池の低コスト化につながる。

対抗ターゲットスパッタ装置の概略

宮島准教授らは、シリコンヘテロ接合太陽電池向けの水素化アモルファスシリコンについて、スパッタ法の一つである「対向ターゲットスパッタ」を使うことで、SiH4ガスを用いずに形成できることを確認した。

今後、大面積での製膜の実証が進めば、シリコンヘテロ接合太陽電池や、ペロブスカイトとシリコンを組み合わせたタンデム太陽電池の低コストプロセスの実現が見込める。

次世代太陽電池として期待されるシリコンヘテロ接合太陽電池は、理論効率に迫る26・8%の効率を示すなど高い性能が報告されている一方、既存の裏面不動態型セル(PERC)型に比べて製造コストが高い。

シリコンヘテロ接合太陽電池の高効率化には、シリコンウエハーの表面に高品質な水素化アモルファスシリコン層を形成し、表面のキャリア再結合を抑えることが需要。だが、現在はSiH4ガスを使う必要があり、コスト増の一因だった。

ソーラーRRL電子版に掲載された。