電力8割削減、シンクモフがCO2回収装置実用化へ

SyncMOF(シンクモフ、名古屋市千種区、畠岡潤一代表)は早ければ2024年中にも二酸化炭素(CO2)回収装置を実用化する。発電所などから出る排ガスの高濃度CO2を金属有機構造体(MOF)という特殊な吸着材で回収。排ガスの排熱を利用して、従来よりも電力消費量を8割削減しながらCO2を分離する。カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)に向け、再生可能エネルギーの活用とともに高まるCO2回収のニーズを取り込む。

CO2回収に使うMOFはガスの貯蔵や分解、吸着などの機能を持つ。回収したいガスに合わせて、MOFを設計する。

CO2回収装置では濃度10%以下のCO2をMOFで回収し、工場排熱を使って分離する。回収したCO2は濃度を90%以上に高め、都市ガス原料になるメタンや工業材料に利用することを想定する。

最大の特徴は吸収液や吸収膜を使う方法よりもCO2分離の電力消費量を大幅に減らせることだ。従来の方法ではCO2を分離するのに、再度エネルギーをかける必要があった。一方、シンクモフのMOFでは排ガスからCO2を回収するとともに、排ガスの排熱をCO2分離のエネルギーにすることで電力消費を減らす。従来の方法よりもCO2を効率よく回収しながら、安価に分離することを目指す。

すでに東邦ガスと実証実験を始めた。将来は都市ガスだけでなく、火力発電などCO2排出が避けられない分野への導入を目指す。