金正恩が大金をはたく「喜び組」の過激アンダーウェア

ガーディアンなど英国メディアは先月26日、北朝鮮が国営放送で海外の番組を放映した際、外国人出演者が着たジーンズに「ぼかし」を入れたことが判明したと報道した。

北朝鮮ではジーンズに代表される欧米文化が「腐りきった資本主義」を象徴するものとして忌み嫌われてきた。それは金日成主席の時代からのもので、3代目の金正恩政権になってもなお続いている。

それでも、徐々に海外文化への憧れを強めてきた若者たちは、当局の目を盗んでオシャレをしたり、韓流コンテンツを楽しんだりするのに忙しい。それに対し、当局がさらに締め付けを強めるというイタチごっこが続いているのが現状だ。

そして、特権階級だけはやりたい放題が許される「二重基準」はひどくなる一方だ。金正恩氏がベンツやレクサスなどの高級車を乗り回しているのはつとに知られている。

一般的には庶民の衣料品であるジーンズと、数千万円もする高級車のどちらが「資本主義」を象徴していると言えるだろうか。

それだけではない。

英紙デイリー・メールは2017年、金正恩総書記が270万ポンド(当時のレートで約3.5億円)を費やして過激な「アンダーウェア」などを輸入していると報じた。国連安保理の制裁決議では北朝鮮へのぜいたく品の輸出が禁じられている。

同紙によれば、「北朝鮮の金正恩氏は、喜び組の女性が身に着けるガーターやコルセット、それ以外にも、シャンパンや馬を買うために270万ポンドを費やした」という。同紙は貿易情報サイト「トレードマップ」によって、こうした事実が明らかになったと指摘している。

もっとも、仮に多額も贅沢品が輸入されていたとしても、それら全てが喜び組のためとは限らない。当然、平壌の富裕層の女性たちも顧客に含まれているだろう。

たとえば、金正恩氏の妹である金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長が、昨年9月にロシアを訪問した際に持っていたバッグを巡り、国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会がフランス高級ブランドのクリスチャン・ディオールに問い合わせをしていたことが同委専門家パネルの年次報告書で分かっている。ディオールの回答は、自社の商品のように見えるものの見極めは難しいとする内容だった。

こうした二重基準を、北朝鮮国民とて知らないわけではない。為政者が自ら骨抜きにしているルールが、国民に浸透することは決してない。北朝鮮当局の取り締まりは、まったく無益な「骨折り損のくたびれ儲け」に過ぎないのだ。