■次世代の宇宙望遠鏡に使われる可能性あり

今回開発された炭化チタンアルミニウムと二酸化ケイ素の超黒色膜には、マグネシウム合金の表面に塗布することができ、熱の変化に極めて強く、紫外線から近赤外線までの幅広い波長の光を吸収するという特徴があります。

これらの性能は、どれも宇宙望遠鏡への応用が期待されます。宇宙空間は真空で温度変化も激しいため、物理的なダメージに強いことは利点になります。また、幅広い波長の光を吸収できることも、観測データのノイズを防ぐためには大きな利点となります。今回開発された超黒色膜は、次世代の宇宙望遠鏡に使用されるかもしれません。

ただし、紫外線や近赤外線を吸収すると言っても、その性能は可視光線を吸収する場合よりも低下します。このためJin氏らは、これらの波長でも高い吸収率を誇る新しい超黒色膜の開発に取り組むとコメントしています。

 

Source

Jianfei Jin, et al. “Robust ultrablack film deposited on large-curvature magnesium alloy by atomic layer deposition”. (Journal of Vacuum Science & Technology A)
Wendy Beatty. “Ultrablack Coating Could Make Next-Gen Telescopes Even Better”. (AIP Publishing)

文/彩恵りり