日系電子部品の世界出荷額は10%増も…EV変調で懸念

中国EV堅調、足元は鈍化

電子部品出荷の落ち込みに歯止めがかかった。電子情報技術産業協会(JEITA)がまとめた日本メーカーによる1月の電子部品世界出荷額は前年同月比10%増の3619億円で、2023年11月から3カ月連続のプラスとなった。為替の円安が進んだ影響を除いても23年1月と同水準を維持。中国で電気自動車(EV)の生産が堅調だったことが寄与した。ただ足元ではEV市場の変調も指摘され、電子部品需要が今後順調に回復するかは不透明だ。

品目別で見ると、スマートフォンや自動車などで電気を一時的に蓄えたり放出したりして回路のノイズを除去し、電圧を安定させるコンデンサーは同15%増の1262億円で、2カ月ぶりのプラスだった。ドル換算で比較しても約3%増加した。

野村証券の秋月学アナリストは「自動車向けなど、製品単価の高い製品の出荷が回復してきている」と指摘する。世界最大の自動車市場である中国で、EVの普及が進んだ恩恵を受けているとの見方だ。実際、1月の電子部品出荷額を地域別に見ると、中国向けは同33%増の1265億円だった。底堅いEV向けがけん引したとみられる。

ただ電子部品出荷が今後順調に回復軌道に乗れるかは不透明だ。中国を含む世界のEV販売の成長ペースが足元で踊り場を迎えているためだ。新しい技術や商品をいち早く購入する「アーリー・アダプター」によるEV購入が一段落し、各国のEV補助金効果も一巡したことなどが要因と考えられる。中長期でEVシフトが進む見通しに変わりはないものの、足元の販売鈍化がどの程度広がりを見せ、いつまで続くのかが読み切れない。

EV向けが今後落ち込んだ際、それを補う別のけん引役が見当たらないことも課題だ。中国経済の失速などで産業機器向けは不振が続き、データセンター(DC)用も一部の生成人工知能(AI)向け以外は伸び悩んでいる。

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