
今注目の書籍の一部を公開して読みどころを紹介するシリーズ。今回は、投資信託の運用現場や投資の考え方について詳しく紹介したインベスコ・アセット・マネジメントの『世界屈指の資産運用会社インベスコが明かす世界株式「王道」投資術』の一部を特別に公開します(全3回/本記事は第2回)。
※本記事はインベスコ・アセット・マネジメント著『世界屈指の資産運用会社インベスコが明かす世界株式「王道」投資術』(KKベストセラーズ)から一部を抜粋・再編集したものです。
世界株式への投資によって得られるリターン
それでは実際に、世界に視野を広げて投資をすることでどのような収益が期待できるのかを見てみます。過去20年間のリターンを振り返ってみましょう。図表1は2002年12月末からの20年間について、日本株式のみに投資した場合と、日本を含む世界株式に投資した場合のリターンを比較しています。日本株式のみに投資した場合でも3倍以上のリターンが実現していますが、世界株式は日本株式のみの場合のさらに約1.8倍のリターンとなっています。世界には高い収益力を誇る企業が数多く存在していることがこの結果に影響している要因と考えられます。

一方で、20年間ずっと投資し続けた人は確かにこのリターンを得られたかもしれませんが、投資を始めるタイミングは人によって違うので実現したリターンも人によってまちまちではないかと考える方もいるでしょう。
この疑問に答えるため、図表2では、過去20年の株式市場において、世界株式に異なるタイミングで10年間投資した場合にどのようなリターンを得ることができたかをシミュレーションしました(図表2)。過去20年の世界経済は、リーマン・ショック(2008年)、チャイナ・ショック(2015年)、コロナ・ショック(2020年)など、様々な危機に見舞われています。どのタイミングで投資を始めてもプラスのリターンが得られるという結果を意外と思われる方もいるかもしれません。市場危機の都度、株式市場は一時的には大幅に下落するものの、投資を継続することで市場の回復を捉えることができ、結果としてプラスの収益を実現できました。これこそが、長期投資の重要性を物語る結果といえそうです。

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世界株式への投資する方法
世界株式への投資といっても、1つではありません。図表3にある通り、主に3つの投資方法があります。

それぞれの特徴は、表の通りですが、ここではアクティブ・ファンド投資(=アクティブ運用)の重要性についてお伝えします。対比される投資方法として、インデックス・ファンド投資があります。インデックス・ファンドへの投資は、S&P500指数やMSCIワールド・インデクスなどの株式指数に連動するファンドを購入するものです。
一方、アクティブ・ファンドへの投資は、ポートフォリオ・マネジャーと呼ばれる投資の専門家が銘柄を選択して構成したファンドを購入するものです。インデックス運用と異なり、ポートフォリオ・マネジャーが個別銘柄の投資魅力度を評価し、リスク面を考慮しながら配分比率を決めていきます。個々の銘柄の調査を徹底的に行った上で投資を決定することから運用報酬などのコストがインデックス運用と比べて高くなりますが、メリットとして、インデックスよりも高いリターンを狙ったり、下落時の損失を抑えたりすることが期待できます。