食品廃棄物をエネルギーに転換、トヨタ紡織が地域連携でバイオガス発電

トヨタ紡織は地域と連携し、食品廃棄物をエネルギーに転換する取り組みを始めた。豊橋工場(愛知県豊橋市)で3月にバイオガス発電設備を稼働。7月から近隣にあるトヨタ自動車田原工場(同田原市)で生じた食品廃棄物を受け入れている。国連の持続可能な開発目標(SDGs)や循環型社会への貢献が企業経営のキーワードとなる中、地域とのつながりを強化し、これに挑む。

トヨタ紡織では2022年1月に猿投工場(愛知県豊田市)にバイオガス発電設備を導入した。豊橋工場への設置は同社として2例目となる。

同工場では野菜の皮など、どうしても残る食品廃棄物をバイオガス発電の原料としている。隣接する子会社のアラコ(同)の工場やトヨタ田原工場の食品廃棄物を合わせ、1日当たり約200キログラムを発電設備に投入。そこから同18キロワット時の電力を創出する。24年3月には同発電設備の隣に蓄電池を整備し、平時の電力のピークカットや非常時の事業継続計画(BCP)対応を強化する。

豊橋工場のバイオガス発電設備は、猿投工場の設備に比べ小型・省スペース化したのが特徴。専用機ではなくアイシンと連携し、同社の発電機を改良した。また通常は廃棄物を破砕した後、メタンガスが発生するまで14日間ほど「調整タンク」で発酵準備をするが、これをガスが発生する「発酵タンク」でまかない、工程を短縮した。この工夫により敷地面積を当初計画より52平方メートル減の30平方メートルにコンパクト化した。

創出したメタンガスは発電機で電気に変え、工場で24時間稼働する浄化槽用の水処理装置のエネルギーとして利用する。ガス発生の過程で生まれる消化液は植物の成長に有効な成分を含むため、液体肥料になり得る。豊橋工場ではヒマワリを育てるなどして液肥の成分調査を進め、安全性が確認でき次第、近隣の農家に提供する計画だ。

今後もトヨタ紡織ではバイオガス発電に伴う連携の輪の拡大を目指す。トヨタグループをはじめ近隣企業・工場の食品廃棄物を回収するなどの取り組みを視野に入れる。タイ拠点のトヨタ紡織アジアでもバイオガス発電設備を導入し、資源循環とエネルギー創出を両立する。

【関連記事】 トヨタグループも注目、熱源を操り省エネを実現する愛知の実力企業