アサヒ飲料、伊藤園、キリンビバレッジが共同で愛知県小牧市とペットボトル水平リサイクルの連携協定、飲料メーカー3社が共同で自治体と資源循環の連携協定は国内初

アサヒ飲料と伊藤園とキリンビバレッジは9月1日、豊田通商とともに、ゼロカーボンシティの実現を目指す愛知県小牧市とペットボトルの水平リサイクルに関する連携協定を締結した。飲料メーカー3社が共同で地方自治体と資源循環に関する連携協定を結ぶのは国内で初めて。

今回の3社共同の連携協定は、最初に小牧市と水平リサイクルについて話し合っていた伊藤園からアサヒ飲料とキリンビバレッジに声をかけたという。同社はキリンビバレッジと自販機の修理で提携し、アサヒ飲料とは自販機の相互販売を行っている。3社共同で取り組むことで、市が求める事業の安定性や公平性に応える考えだ。

1日には小牧市役所で協定の締結式が行われ、山下史守朗市長は次のように話した。「この連携協定が、二酸化炭素排出量を減らし、資源循環型社会の実現に向けて大きく着実な一歩になることを期待している。大手飲料メーカー3社が共同で自治体と協定を結ぶのは初めてと聞く。それが小牧市ということで光栄だ。このような取り組みが全国に広がればと思う」。

今回の協定締結により、2024年4月から愛知県小牧市内で市民が分別した使用済みのペットボトル全量を、豊田通商のグループ会社である豊通ペットリサイクルシステムズがメカニカルリサイクル(※)によりペットボトル原料に再生し、アサヒ飲料、伊藤園、キリンビバレッジのペットボトル製品に再利用する。これにより、小牧市の家庭から排出される年間約400tのペットボトルが再利用される見込みという。今後、市民へのペットボトルの分別回収に関する啓発活動にも取り組む予定とする。

※メカニカルリサイクル=回収された使用済みペットボトルを選別、粉砕、洗浄して表面の汚れ、異物を十分に取り除いた後に高温下にさらし、樹脂内部に留まっている汚染物質を拡散させて除染を行うリサイクル手法。

飲料メーカー3社が共同で地方自治体と連携協定を結ぶことで、ペットボトルの水平リサイクルを推進し、市民、行政、事業者が三位一体となった、最も効率的で最も環境に優しい持続可能な資源循環の構築を目指す。

また、アサヒ飲料、伊藤園、キリンビバレッジの3社は、持続可能な循環型社会の実現に向けて考えが一致すれば、他の地域でも連携しながらペットボトルの水平リサイクルを進めることも検討するという。 伊藤園常務執行役員の佐々木貴浩中部地域営業本部長は、「個社ではできないことも、3社であれば協業してできることもある。小牧市が第1回目の協業となったが、今後もこのような形(3社の協業)で進めていけるところがあれば検討したい」と話した。

連携協定を行う民間企業各社の話は以下の通り。

伊藤園グループの環境方針の中で、原材料から廃棄に至るまで全ての事業活動のバリューチェーンにおいて、持続可能な環境社会の実現に貢献することを掲げている。特に、環境問題の解決が求められるプラスチックにおいては、2030年までに全てのペットボトル製品をリサイクル素材等(生物由来素材を含む)への切り替えを目指している。その目標に向け、本協定を持って小牧市のゼロカーボンシティの実現に貢献するとともに、小牧市の皆様から排出されたペットボトルを再びペットボトルに水平リサイクルするボトルtoボトルの取り組みをアサヒ飲料、キリンビバレッジ、豊田通商と連携し開始する。

伊藤園 常務執行役員中部地域営業本部長 佐々木貴浩氏

キリングループは「長期経営構想2027」の中で、食と医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業になるというビジョンを掲げている。この一環として、キリンビバレッジは健康、環境、コミュニティ、ここを柱に社会課題解決への貢献を目指していく。今回の協定は、まさに地域の皆様とともに、環境への取り組みを推進するという点で目指すべき方向とも合致している。ボトルtoボトルは持続可能な循環型社会の実現に貢献できるため力を入れていく。

キリンビバレッジ 執行役員中部圏統括本部長 小林雅敬氏

アサヒグループでは、「アサヒグループ環境ビジョン2050」において、事業による環境負荷をゼロにし、循環を通して、地球環境への価値を最大化するプラネットポジティブの達成を目指している。カーボンニュートラル、容器包装廃棄物のない社会など、2050年の世界のありたい姿とその実現に向けて取り組んでいる。アサヒ飲料では、容器包装の分野において、「容器包装2030」という独自目標を設定し、2030年までに使用するペットボトルを全て環境配慮素材に切り替えることを目指している。SDGs未来都市である小牧市と今回の包括連携協定をきっかけに、今後も様々な場面で連携してSDGs達成に向けた取り組みを具現化させたい。

アサヒ飲料 中部北陸本部長 谷川一幸氏

今回の取り組みは、小牧市の皆様が分別したペットボトルを、当社のリサイクル工場(滋賀県)でリサイクルし、それを飲料メーカーが製造販売する飲料の容器に再利用することで資源を循環させるもの。豊田通商では、サステナビリティの重要課題として、社会課題解決に貢献する4つの重点分野を定めている。その中の一つが、廃棄物の再資源化による循環型社会の構築だ。今回の「ボトルtoボトル」リサイクルの取り組みは、まさにそれを具現化するものだ。当社工場は滋賀県蒲生郡日野町にあり、小牧市から最も近い「ボトルtoボトル」リサイクルの専用工場。使用済みのペットボトルを運搬する際に、排出される温室効果ガスが最も少ない工場と考えている。ペットボトルに戻す機能と温室効果ガスの削減という2つの機能で、小牧市が目指す資源循環型社会の構築、および脱炭素社会の実現に貢献したい。

豊田通商 サステナブル原料・合成樹脂部長 金沢良親氏