有機半導体温度センサー開発、パイクリスタルがCMOS量産目指す

パイクリスタル(千葉県柏市、岡本和樹社長)は、有機半導体を用いた温度センサーを開発した。医薬品メーカーへの採用が決まっており、運送中の温度管理に使用される。すでに製品化した有機半導体による振動センサーと合わせて、2024年度に1万個以上の顧客導入を目指す。24年度内には、低コストという利点を生かした有機半導体CMOS(相補型金属酸化膜半導体)回路の量産技術確立も目指す。

有機半導体は有機材料を溶剤で溶かして印刷する。低コスト化に加えて、薄くて曲げることができる特徴も持つ。パイクリスタルが今回開発した温度センサーでは、センサー素子に有機半導体を採用した。病院などに出荷される医薬品とセンサーを同梱することにより、運送中の温度データ履歴を取得する用途で使用される。

現在は、信号処理など後処理において従来のシリコン半導体を組み合わせている。有機半導体でCMOS回路を実現できれば、センサーから後処理まで有機半導体で仕上げられるようになる。

同社は有機半導体の開発を目的に13年に設立。20年にダイセルのグループ会社となった。これまでに抵抗値の変化を計測するセンサー素子や、液晶ディスプレーなどに使用される有機薄膜トランジスタ(TFT)を有機半導体で量産化する技術を確立した。

CMOSの量産技術も加えることでセンサーの低コスト化をさらに進め、普及に弾みを付けたい考えだ。

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