海外旅行の良き相棒だった「トラベラーズチェック」って今も使えるの?

海外旅行者が、旅行先での支払いや現地通貨への換金に利用できる小切手「トラベラーズチェック(以下、T/C)」。海外旅行中の現金の盗難や紛失を回避するための手段として用いられ、両替所や銀行などで購入できた。

日本では、2014年にアメリカン・エキスプレスが発行を終了したのを最後に、現在は発行されていないT/Cだが、海外ではどうなっているのだろうか。また、まだ保有している場合に利用や換金はできるのだろうか。トラベルジャーナリストの橋賀秀紀さんに聞いた。

※記事内の情報は2023年7月現在のものです。

基本的には海外でも利用できないトラベラーズチェック

「日本で2014年にT/Cの発行が終わったように、いまではほかの国でも発行されていませんし、『T/Cを使った』という話も最近は聞きません。また、現在は多くの国でクレジットカードが使えるので、わざわざT/Cを積極的に使う意義はないように感じます」(橋賀さん・以下同)

ただし、アメリカでは一部利用できる店舗があるという。

「アメリカはさまざまな国から人が集まるからか、いまでもT/Cが使える店舗が多少あるようです。ただ、すべての店舗や施設で利用できるわけではないので、T/Cだけで旅行に行くのはおすすめできません。ほかの決済方法も準備したうえで、『使えなければ換金しよう』と考え、試しに使ってみるのはありだと思います」

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いまこそトラベラーズチェックの換金どき!

ほとんどの国や店舗で利用できないT/C。もし、いまでも保有していたら、どうすればいいのだろうか。

「発行は終了しているT/Cですが、換金はできます。また、いまこそT/Cの換えどきだと考えています。その最大の理由は、円安だからです。T/Cは外貨に両替したのと同じ状態なので、換金して円にすると多くなって戻ってくる可能性が高いといえます。もちろん増えて戻ってくるかどうかは購入や換金の時期によりますが、へそくり的なお金とはいえるでしょう」

いまが換えどきという理由は、ほかにもあるそう。

「かつてT/Cを発行していた会社がそれぞれに換金の対応をしていますが、徐々に換金できるものの範囲が狭まっています。例えば、私の手元にはフランスフランのT/Cがあるのですが、EUの通貨がユーロに統合される前の通貨のT/Cは、換金に非常に手間がかかります(※)。そのため、今後使う予定のないT/Cは早めに換金することをおすすめします」

※トラベレックス(両替所)のイギリスの部署(tcassistance@travelex.com)にメール(日本語可)で問い合わせる必要がある。

ちなみに、旅行先の銀行で換金する方法もあるが、どちらにせよ現金にするのであれば、日本で行ったほうが手続きをスムーズに進められるだろう。