ごはんを気兼ねなく食べられて糖質とカロリーをカット 食物繊維も摂れる「マンナンヒカリ」じわり拡大 大塚食品

ごはんを気兼ねなく食べられて糖質とカロリーをカットできるものとして、こんにゃく生まれの米粒状加工食品「マンナンヒカリ」がじわり拡大している。

「マンナンヒカリ」をお米に混ぜて炊くと、より健康的にごはんを食べることができる。この認知の広がりが販売に寄与していると思われる。

炊きあがり2合の場合、お米1合(約150g)だけを洗って水切りする。次に「マンナンヒカリ1合分(75g)」を洗わずに加えて、炊きあがり量の水位線(水2合目盛り)まで水を注ぎ、軽くかき混ぜて通常通り炊飯する。

これにより、ごはん1膳(150g)のボリュームをそのままに糖質を30%カットし、1日3膳換算でカロリーを219kcalカットする。

1膳で5.3gの食物繊維が摂れるのも特徴。

糖質とカロリーの摂取を控える“引き算”の健康価値に加えて、食物繊維という“足し算”の健康価値も付与されている点で唯一無二の商品となる。

代替の効かない商品のため店頭配荷率は高く、スーパー、ドラッグストアなどに多く導入されている。販売状況も近年上々で、2018年から右肩上がりで推移している。

「日経POSセレクション2022」では、「マンナンヒカリ スティックタイプ 525g」がその他栄養補給食品の分類で長く良く売れている商品として紹介されている。

好機が訪れたのは、18年5月に行ったパッケージリニューアル。パッケージに糖質カットの訴求ポイントを追加して記載したことが奏功した。


取材に応じた大塚食品の伊藤紫麻製品部マンナンヒカリ担当PM

取材に応じた大塚食品の伊藤紫麻製品部マンナンヒカリ担当PMは「以前はカロリーカットと食物繊維2点のみを訴求していたが、18年5月のタイミングで世の中でも糖質制限が言われ始め、皆さん糖質を気にされているようになったところで糖質カットを訴求して大きく伸長した」と振り返る。

この勢いを加速すべく、消費者からの「もっと白米のような弾力がほしい」「より食べやすい食感にしてほしい」といった声を受け、中身に磨きをかけ21年9月にリニューアル発売した。

リニューアルでは「調査で“パラパラ感がする”といったお声をいただいたことを受け、よりお米に近いもちもちとした食感に改良した」。これにより、おにぎりなども作りやすくなりパッケージ裏面で調理例を紹介している。

今年、さらなる拡大に向けて、体型が気になる40代女性に照準を合わせた。


「マンナンヒカリ」のWEB動画に川島明さんを起用

ターゲットの好感度の高いキャラクターとして、川島明さんを新たに起用しWEB動画「#マンナンヒカリ食べてみた」篇を公開している。

「ユーザーの特徴を調査したところ調査を行ったところ、様々な体や健康の悩みを抱える方がいる中で、体型が気になる方が割合としては一番大きかったことから、ここにフォーカスして認知を広げていきたい」との考えを明らかにする。

WEB動画では、1日3膳をマンナンごはんにすると、ウォーキング約1時間10分相当のカロリーをカットできることも伝える。

ランニングの場合はランニング約30分相当のカロリーをカットする。

現在、Twitterを活用した販促を展開。5月9日から第一弾のインスタントウィンキャンペーンを実施。5月24日からは第二弾として、昨年好評を博したアンバサダーキャンペーンを実施しトライアルユーザーからの発信を促している。

「6~8月は健康診断の時期で、診断を受ける前に体重を大きくコントロールしようとするなど5月以降は健康とダイエットへの関心が高まる時期だと思っている」と勝算を見込む。


左から「マンナンごはん」「マンナンヒカリ」「もち麦・玄米入りマンナンヒカリ」 「もち麦・玄米入りマンナンごはん」(大塚食品)

トライアル獲得やブランドとの接点拡大に向けて、今後、業務用の展開も強化していく。

トライアルからリピートにつなげ、関心の高まりに応えるものとして、公式サイトでは、開発者のインタビューを掲載している。

そこでは「妊婦さんが体重増加と便秘に悩まされているけど、身重なため運動することができない。ダイエットで食事制限するのも身体によくない。カロリーが低く妊婦さんの悩みを手助けできるものはないか」といった産婦人科医からの相談が開発のきっかけになったことなどが紹介されている。

ECで販売する大容量タイプはリピーターに支えられ好調に推移。

「『マンナンヒカリ』はリピート率が高い製品。一度、よさを実感していただくと続けてくださる方が物凄く多い。まだまだお困りの方に届け切れていない部分が大きく、引き続き、価値を伝えていきたい」と意欲をのぞかせる。