バイク乗りのためのモノ作りを得意とする「トロフィークロージング」のオーナー、江川真樹氏。東京のモーターサイクルシーンの中心人物のひとりでもあり、大のIndianフリークとしても知らている。そんな江川氏のとっておきのヴィンテージは、レジェンドレーサーの愛機だったダートトラックバイクだ。

レジェンドレーサーの愛機を今に受け継ぐ。

質実剛健なワークウエアやミリタリーをベースに、バイク乗りのために改良したモノ作りを得意とする江川さん。東京インディアンズのメンバーとしても知られ、大のIndian好きでもある。そんな江川さんの手放せない愛用品は、生粋のダートレーサー仕様のスポーツスカウトだ


1934年に発売されたスカウトのスポーツモデル

「この車両は、僕自身が憧れていた東海岸のインディアンレジェンドレーサーDoc Batsleer氏が所有していたもので、それが購入の決め手に。購入時は前後ノーブレーキ仕様で、実車を見なくても乗り込まれた生粋のダートトラック車両だと分かるものでした。

購入後、若い頃からの夢だったアメリカでレースをするために渡米。カリフォルニアでダートレースにおける由緒正しきサーキット “Industry Hills Speedway”で開催された大会に、このバイクで参戦し、決勝まで進出。その際にオーディエンスから拍手喝采を頂けた事は、一生忘れない思い出です。

2023年3月に大洗で開催されたビーチレース “SUN BEACH SAND FLAT’S” にも当車両で参戦し、好成績を残すことができました」

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歴史的な価値のある生粋のレーサー車両。

1934 Indian Sport Scout Made in USA

1920年に発表されたスカウトのスポーツモデルとして1934年に発売。当車両は、ファーストイヤー。Indianのレースエンジニアとして絶大な信頼を得ているカリフォルニア・ロングビーチのBRAT STYLE USAの高嶺氏によるエンジンチューンを施した。旧いサイドバルブの見た目からは想像が付かないポテンシャルを持つ。軍用741スカウトのフォークを装備しているのは、バンクを稼ぐために用いられたトラディショナルな手法。




(出典/「CLUTCH2023年6月号 Vol.91」)