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 ビザ・ワールドワイド・ジャパンは25日、日本でのVisaタッチ対応決済カードの発行枚数が2023年3月末で1億枚を達成したと発表した。2013年に日本でVisaタッチ対応決済カードの発行を開始、ちょうど10年の節目で1億枚到達した形となる。

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 キャッシュレス決済のひとつとして拡がりつつあるVisaタッチ決済。後払い方式のクレジットカードという従来の仕組みは残しつつ、決済時に専用端末にかざすだけで決済できるため、セキュリティ面における安心感がある。

 さらに、2020年初頭に拡がり始めた新型コロナウイルス感染症の影響は少なくないだろう。Visaタッチ決済では、店頭での決済時に暗証番号の入力は原則として不要であることから、専用端末に一切触れることがなく接触感染へのリスクヘッジとなりうる。

 実際に全国のキャッシュレスサービス利用者(利用意向のある人を含む)を対象としたアンケート結果でも、コロナ禍における新しい生活様式に則した利用環境として「カード決済時のやり取りを避けたい」と回答した人が、71%にのぼる結果だった。

 利用者増の後押しとなったのは、Visaタッチ決済が利用できるサービスが増えていることも挙げられる。全国の主要コンビニエンスストアをはじめ、スーパーやドラッグストアに加え、ディスカウントストアや家電量販店なども利用できる店舗が増えている。

 さらに、バスや電車など公共交通機関で利用できる場面も増えている。現在は、全国26都道府県で42プロジェクトの取り組みが継続されている。従来のチャージ式交通系カードでは、残高を確認して利用する必要があったが、Visaタッチ決済ではチャージ不要で利用できるため利便性が高い。

 もちろん、Visaタッチ決済は国内での利用だけに限らない。対応カードは海外で利用することもでき、逆にインバウンド客が国内で利用することも可能だ。買い物も移動も、Visaタッチ決済で可能であるため、国内外問わず旅行の際には1枚あると便利だろう。

 国内でのVisaカードの発行元である三井住友カードでは、タッチ決済機能が搭載されているのはもちろん、盤面にカード番号や氏名等の記載がないナンバーレスカードの発行をしている。基本的にはカード所有者のアプリ上でカード番号等を確認するため、セキュリティ面でさらに強固な対策がされているといえる。タッチ決済の利便性の高さと、セキュリティ対策もかねている1枚だろう。